ゲームレビュー 世界樹の迷宮IV 伝承の巨神「気球艇で大地を巡り世界樹と巨神の謎を追うダンジョンRPG」【3DS】

ゲームレビュー 世界樹の迷宮IV 伝承の巨神「気球艇で大地を巡り世界樹と巨神の謎を追うダンジョンRPG」【3DS】

『世界樹の迷宮IV 伝承の巨神』(3DS版)ストーリークリア後の総評とレビュースコアを掲載します。
※難易度NORMALで初見一周目クリア。
※購入価格はニンテンドーeショップDL購入(3,218円)。

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レビュースコア

ゲームタイトル スコア ランク 評価観点
世界樹の迷宮IV 伝承の巨神
7/10 B
  • メカニクス(アクション・操作性・戦闘)
    7/10
  • 世界観・ストーリー・登場人物
    6/10
  • グラフィック・モデリング・画面UI
    6/10
  • サウンド・BGM・音響効果
    8/10
  • インプレッション・熱中出来る要素
    7/10
  • クオリティ(バグ・ロード時間 etc)
    7/10
[寸評]
DS版で発売され好評を博した世界樹の迷宮シリーズを3DSで続編として開発・発売されたゲーム。
DS版は移動や戦闘の遅さがあり、Ⅳでも少し緩和されているが、プレイアビリティはまだ低く、このⅣの後に発売されたVで移動や戦闘の速度が上がり、プレイアビリティが向上する。
ただ移動の遅さは、木々が鬱蒼と茂る迷宮を慎重に進むという雰囲気作りにも役立っている。
今作ではⅢの新要素「大航海」の地上版である「大地を気球艇で探索する」という要素が加わっている。
迷宮探索のほか、大地の探索も追加された事で、隠された迷宮を探す、徘徊するFOE(フィールドモンスター)に挑む、鳥獣を狩りして料理しバフを追加するといった様々な仕掛けも用意されている。
迷宮はシリーズを継承して構造的にも、戦闘での難易度も共に高いが、その分得られる達成感も高いものになっている。
迷宮には街から直接行けるものの、後継のシリーズ作のような「フロアジャンプ」や階層単位での直接移動はない。

2022/8/16変更履歴 評価観点の記載を新形式に変更。

  • ジャンル:ダンジョンRPG
  • プレイ人数:シングル
  • プラットフォーム:Nintendo 3DS
  • 発売日:2012年7月5日
  • 開発・販売:アトラス

レビュースコアの採点方法については以下リンクを参照。

総評

総じて、シリーズ伝統の迷宮の雰囲気、戦闘の難易度の高さ、キャラクタービルドの面白さがあり、世界樹シリーズファン、ダンジョンRPG好きには楽しめる作品になっている。
ストーリーは王道的な面白さ。今作は火力職が揃っておりキャラクタービルドはシリーズでも屈指の面白さだが、後半はダメージインフレが激しい。

ただ、大地(地表)の探索要素が余り作品にマッチしているとは思えなかったが、その割には迷宮を見つけるにもまずは地表探索が必須になっており、やや苦痛だった。
(購入前のPV動画などでは気球での地表探索が面白そうに思えていたが、実際のプレイはそれほどインプレッションはなかった。)
世界樹シリーズはやはり迷宮のみに特化すべきだったのではないか。

世界樹の迷宮シリーズと各作品の特徴

タイトル 発売 機種 特徴
世界樹の迷宮 2007年1月18日 DS 第一作。現代版ウィザードリィがコンセプト。ゲームブック風のテキスト、古代祐三氏作曲のBGM、クラス制、スキルツリー、ダンジョンマップ作成、封じ、F.O.Eなど基本システムはシリーズ作に踏襲された。
世界樹の迷宮II 諸王の聖杯 2008年2月21日 DS 二作目。一作目の人気を受けて作られた続編。高難易度で知られた。
世界樹の迷宮III 星海の来訪者 2010年4月1日 DS 三作目。DS最終作。サブクラス、鍛冶、マルチエンディングと周回制、大航海など新規システムが導入。戦闘のテンポアップ。
世界樹の迷宮IV 伝承の巨神 2012年7月5日 3DS 四作目。この作品から3DSに移行。稀少個体、敵の隊列概念、気球艇での大地探索、小迷宮が導入。難易度選択追加。
新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女 2013年6月27日 3DS 一作目のリメイク。ストーリーモード導入、倍速移動・戦闘、フロアジャンプ、ギルドハウス、漢字使用可などプレイアビリティが大きく向上。ボイス・ムービーによる演出強化。グリモアは賛否。
新・世界樹の迷宮2 ファフニールの騎士 2014年11月27日 3DS 二作目のリメイク。ミレニアムの少女を継承し評判の悪い部分を改善。特にグリモア周辺のシステム整備とUIが大幅改善。職業数を新1の11から15へと増加。セーブ数を新1の1枠から9枠へ増加。公国直営料理店運営(料理メニュー開発、宣伝計画、都市開発)。敵ステータス表示。DLC発売初。
世界樹の迷宮V 長き神話の果て 2016年8月4日 3DS 五作目。キャラクターメイクに種族が追加。二つ名や召喚を導入。UIが大幅に変更。
世界樹の迷宮X(クロス) 2018年8月2日 3DS 六作目。シリーズ最終作。職業数と迷宮数は過去最多。詳細なキャラクターメイク。

その他の評価点

高評価の項目 低評価の項目
  • 世界樹シリーズとして手書きマッピングや幅広いビルド、手強い敵モンスターと安定した面白さ。
  • 世界樹シリーズはDSで発売されてきたが、今作から3DSに移行したため、移動こそ高速移動がないものの、UIや倍速戦闘を含めてプレイアビリティは比較的高い。ただ、Xや新1からシリーズに入ると、逆にプレイアビリティの低さを感じてしまう。
  • 極端な不遇職がなく、サブクラスで弱点も緩和されるため、どの職を選んでもそれなりに活躍が見込める。
  • サブクラスを含めたキャラクタービルドの幅や戦略性が広い。
  • 迷宮は特殊な構造をしているものが多く、FOEの動きを読んで行動したり、迷宮内のギミックを動作させるなど、試行錯誤が要求される。
  • FOEやボスモンスターとの戦闘は一筋縄では行かず、簡単にはクリア出来ないようになっている。
  • 迷宮だけでなく、地表(大地)を気球艇で移動出来る。地表は隠された迷宮があったり、動物を取ってバフにするなど、フレーバーに留まらず意味がある。
  • 地表には高低差がありFOEも徘徊するなど、迷宮ほどではないがギミックが設けられている。
  • 古代祐三氏作曲の迷宮や戦闘BGMを初め素晴らしい音楽の数々。中でも「戦場 疾風」「戦場 己が信念を杖に」「戦乱 吹き荒ぶ熱風の果て」は屈指の名曲。
  • シリーズ伝統として難易度が比較的高いゲームだが、CASUALというイージーモードが設けられている。
  • 迷宮内で遭遇する出来事に、ゲームブック調の「君たちは○○を見つけた。ここで□□してもいいし、直ぐに出発してもいい。」といったテキスト文の雰囲気や選択肢が面白い。
  • 休養でレベルが2しか下がらないため、サブクラスを変え易い。(世界樹の迷宮IIIではレベルが5下がるため気軽に休養出来なかった。)
  • 「修行」があるため、中盤以降のキャラ育成が比較的楽。(酒場のイベントの「修行」でキャラレベルを一気に25、35、45に上げられる。)
  • 地図書きのパレットが全体的に使い辛い。間違えて塗った場所のやり直し機能がない。地図のアイコンに使用頻度が高そうなマーク(宝箱マーク等)が少なく、何に使うのか分からないマークが多いため、地図を手書きしている時にもやもやする。頻度が高いマークや分かり易いマークを多くして欲しかった。
  • 地図にメモが出来るものの、漢字が使用出来ないため、全て平仮名かカタカナで書く必要がある。(※平仮名・カタカナの他、英数字・記号も使用可能。)
  • 地表(大地)は4つあり高低差はあるものの、全体マップがそれほど広くないため、探索が必要という程度ではなく、直ぐにマップが埋まってしまうので、存在意義が微妙にも感じられる。大地や町の数を数倍にしてイベントを設定するなど、フィールド要素を充実させることも出来たと思うが、本編の迷宮探索はこのシリーズ最大の要素。結局、迷宮とフィールド要素は相性が良くなかったのか、フィールドの探索要素は世界樹の迷宮III 星海の来訪者の「大航海」と今作Ⅳの「大地」のみとなった。
  • 今作から3DSに移ったが、セーブ枠が一つしかないのは後半のボス戦などで試行錯誤が必要になる時ほど不満に感じられる。(サブクラス等でスキル振りの再調整を迫られるため。)※セーブ数はシリーズ後継の『新・世界樹の迷宮2 ファフニールの騎士』から枠が増えて改善された。
  • ストーリー後半の展開に対し、序盤で伏線もなく駆け足で進むためやや説明不足に感じる。

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