【将棋】『棋士・藤井聡太の将棋トレーニング』がSwitchで2020年3月発売決定。合わせて2019年将棋界の10大ニュース一挙まとめ

【将棋】『棋士・藤井聡太の将棋トレーニング』がSwitchで2020年3月発売決定。合わせて2019年将棋界の10大ニュース一挙まとめ

将棋を遊びながら強くなれる将棋学習ソフト『棋士・藤井聡太の将棋トレーニング』が2020年3月5日に発売となっています。

棋士・藤井聡太の将棋トレーニング -Switch
ゲームスタジオ (2020-03-05)
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将トレ 棋士・藤井聡太の将棋トレーニング 公式サイト


12月23日に行われた「棋士・藤井聡太の将棋トレーニング」の発表会の模様

 

日本将棋連盟公認で藤井聡太七段が初めて監修を担当。Nintendo Switchで販売され価格は4500円(税別)となっています。
天才棋士・藤井聡太七段が監修とのことで、詰め将棋もある本格的な内容が期待出来ます。
自分もまだまだ将棋初心者なので買って勉強したいと思います。

スイッチは個人的には『ゼルダの伝説 ブレス オブザワイルド』以外、PS4被りがあるソフトも多く、それほどやりたいゲームは今のところないのですが、『真・女神転生Ⅴ』がスイッチ専用であることが発表されていることから、メガテンファンとしてはそのうち買う必要があるハードなので、この機に買っておこうと思います。

なお、自分が今使っている将棋ソフトは全てフリーで、ぴよ将棋WEB版、K-shogi、kifu for windowsなどです。
今後は棋力向上のため『激指』なども導入していきたいです。
ここからは、2019年の将棋界の出来事や10大ニュース等を中心にまとめます。

2019年の将棋界の主な10大ニュース

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木村・豊島炎の十番勝負 木村一基九段が最年長で王位獲得(第60期王位戦)

受けの名手・木村一基九段が初タイトル獲得をかけて現在最強と言われる棋士・豊島将之王位(名人)に挑む第60期王位戦。
並行して竜王戦挑戦者決定戦もこの二人で行われるという、「木村・豊島炎の十番勝負」(王位戦最大第7局と竜王戦挑決3番勝負を合わせて十番となる。)とも言われたこの勝負は、将棋の力を超えた精神力がぶつかり合う名勝負の連続で、今年の将棋を象徴する取り組みとなりました。

王位戦七番勝負で木村九段が1-2のビハインドで迎えた第4局。
「入玉」含みの持将棋になり、互いの駒を点数に見立てた点数勝負になります。

そこでは、木村34点、豊島20点のまま、豊島王位の24点以上は見込み無しが確定していても、豊島王位が投了せず続行する異様な展開に。
(※互いの駒の点数が24点以上なら引き分け再試合。24点に満たなければ負けとなる。)

結局285手目という異例の超長手数で豊島王位が投了し、木村九段の勝ちになりました。互いの意地と信念がぶつかり合う死闘といえる勝負でした。

この対局では入玉宣言法を豊島王位がやろうとしているのではといったものや、500手での引き分けルールを目指しているのでは、と様々な憶測が流れました。

この勝負がターニングポイントとなり、その後木村九段が2-2のタイから3勝3敗のフルセットで第7局までもつれ込んだ結果、木村九段が最終局で勝利。見事悲願の初タイトルとなる王位を獲得しました。
また、この獲得は歴代でも最年長となる46歳(3ヶ月)での獲得です。
長年、木村王位のタイトル獲得を待っていたファンも多かったのではないでしょうか。


並行して行われていた第32期竜王戦挑戦者決定三番勝負は、2勝1敗で勝利した豊島名人が挑戦者となりました(その後竜王位を獲得。)
百折不撓の揮毫を掲げ、何度タイトル戦で負けても立ち上がってきた不屈の精神力を持つ木村王位の誕生は、将棋界を超えたニュースになりました。

豊島名人が竜王奪取で歴代4人目の竜王・名人が誕生

第32期竜王戦挑決で木村一基九段に勝ち挑戦者となった豊島将之名人が広瀬章人竜王にタイトル獲得をかけて戦った竜王戦七番勝負では、4勝1敗で豊島名人が勝利。
初の竜王を獲得し、史上4人目(羽生善治九段、谷川浩司九段、森内俊之九段に次ぐ)となる竜王・名人同時戴冠となりました。

七番勝負ダイジェスト

木村・豊島十番勝負での苦しみを抜けて竜王戦では充実振りが感じられ、快勝といった内容でした。
一方、終盤の強さに定評がある広瀬竜王は、その強さを発揮する前に寄せ切られましたが、年初めに対局数が少なく年末になるほど対局過多になるスケジュールで、調整が難しかったのではという印象です。

将棋界は豊島竜王名人・渡辺(明)三冠・永瀬二冠の3強時代に突入

2018年は八大タイトルを8人で分け合う群雄割拠と言われていましたが、わずか1年後の現在、豊島・渡辺・永瀬3強時代と言われています。

豊島・渡辺・永瀬3強

  • 豊島将之竜王名人
    //www.shogi.or.jp/images/player/pro/264.jpg
    (出展:日本将棋連盟公式サイト)
    豊島将之|棋士データベース|日本将棋連盟
    2019年に一時、名人・王位・棋聖の三冠となったが、王位、棋聖を相次いで防衛に失敗。
    しかし12月に竜王を獲得し、棋界最高の称号である名人と竜王を同時戴冠。
    名実共に棋界最高の実力者となる。
  • 渡辺明三冠(棋王・王将・棋聖)
    //www.shogi.or.jp/images/player/pro/235.jpg
    (出展:日本将棋連盟公式サイト)
    渡辺明|棋士データベース|日本将棋連盟
    2019年に久保利明王将から王将を奪取、次いで棋王を防衛、豊島棋聖から棋聖を奪取して三冠を達成。
    2019年は12月13日までで豊島名人以外には負けなしの26勝4敗、勝率8割7分という驚異的な成績を残す。
    年度最高勝率記録は中原誠十六世名人の0.855だが、このまま行くと52年ぶりの記録更新も期待がかかる。
  • 永瀬拓矢二冠(叡王・王座)
    //www.shogi.or.jp/images/player/pro/276.jpg
    (出展:日本将棋連盟公式サイト)
    永瀬拓矢|棋士データベース|日本将棋連盟
    2019年5月に高見泰地叡王から叡王を奪取し初タイトル獲得。10月に斎藤慎太郎王座から王座を奪取し複数冠を半年で成し遂げた。
    元々千日手も辞さない負けない将棋の強さに定評があったが、それがタイトル戦でも如何なく発揮された。

2018年は八大タイトル8人の群雄割拠だったが・・・

将棋系Youtuber・折田翔吾アマ(アゲアゲさん)の編入試験が開始

将棋系Youtuber・アゲアゲとして活動している折田翔吾アマが今年度、10勝2敗の成績で編入試験の要件を満たし、11月から編入試験が行われる事が将棋連盟から発表されました。
試験官となる棋士は直近で新四段となった5人。

11月25日の対局で黒田尭之四段に勝利して折田アマが一勝で迎えた12月23日に第2局が行われましたが、出口若武四段が勝ち1勝1敗になりました。
編入合格には5局のうち3勝が必要です。次の対局は年明け1月27日の山本博志四段戦となります。

折田アマはクラファンで編入試験受験料を募集して500万円超を集めたことでも話題になりました。

将棋棋譜、AIで自動作成へ リコーと共同開発

現在、将棋対局では奨励会員などが努める記録係が対局に際して棋譜を記録していますが、何時間も正座で通してトイレに行く事も出来ないなど、辛い面もあることから、棋士になるための修行の一環とも言われてきました。
実際に好きな棋士の対局を間近で見られることから、記録が勉強になったという棋士もいます。

近年では将棋ソフトの棋力向上などから、家でソフトを使うことが若手の研究方法として主流になっており、長時間拘束される記録係が敬遠されてなり手が少ないと言われています。
関西ではまだ記録取りが人気があるようですが、関東では記録の人手不足から問題になっていました。

これを解消するため、連盟がリコーと共同開発してAIで棋譜の自動作成を進めています。
棋譜の自動作成の話は、2018年に森内俊之九段(当時専務理事)が、趣味のバックギャモンの自動記録システムを自作開発したリコーの開発者に頼んで、将棋の棋譜作成に流用出来ないかと打診したのが発端になりました。
リコーは強豪の将棋部があり将棋の理解が深かったのもシステム開発の原動力になりました。

現在、実証実験が進められているAI棋譜記録システムですが、対局中に起きる様々なイレギュラーからまだ多くの課題がありそうです。
自分が直ぐ思いつくだけでも完全自動化に向けては以下のようなイレギュラーの対応があります。

  • 反則の判定(二歩や連続王手の千日手、打ち歩詰め、駒の誤った移動、二手指しなど)
  • 持将棋、千日手などの特殊な状況の判定
  • 口頭で指し手を発言するルールに対応させるかどうか
  • 駒を触って駒位置がずれた分の補正や、升目からはみ出して置いた駒の判定
  • 指し手の応酬が早すぎる場合に画像読み取りが上手く動作するか
  • 1分将棋になった場合の秒読み上げはシステム側で音声を出すのか

現状のように記録係が立ち会って、システムをサブ的に使うのであれば問題はないと思いますが、この場合は結局記録係の立会いが必要になります。

また、システムのトラブルや誤検知に対処する必要があり、少なくともリコー側でシステムの監視をする必要はあると思います。
現在、棋譜の記録は記録係が操作するタブレットで行われていますが、タブレットの不具合や充電漏れなどで、対局が中断する事が相次いでいます。
システムを使うと便利な反面、こうしたマシントラブルは増加します。
それが1分将棋で起こった場合、対応をどうするのかが非常に難しいと思います。

自分の見解としては、AI棋譜記録システムを導入したとして、移転先の会館にシステム保守室を設けて、保守室にリコーの保守員と、フリークラスの棋士や、引退棋士、元奨励会などのアマ棋士を対局の間常駐してもらい、別室からモニターで対局を監視するのがいいのではと思います。

記録係がマシントラブルに対応するには無理があるので、やはりシステム会社の保守員の常駐が必要になります。
また、指し手や将棋のルールがきちんと行われているかどうかの監視については、引退した棋士や元奨励会のアマ棋士に連盟の仕事として手伝ってもらうのがいいと思います。

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