ゲームレビュー バットマン:アーカム・ナイト「ゴッサムシティで夜毎繰り広げられる怪人たちとバットマンの恋愛ゲーム」【PS4】

ゲームレビュー バットマン:アーカム・ナイト「ゴッサムシティで夜毎繰り広げられる怪人たちとバットマンの恋愛ゲーム」【PS4】

メインクエストのスケアクロウ&アーカムナイトのみクリアした。「ナイトフォール作戦」については未クリアだが、バットマンについては一旦プレイ休止しようと思っているので、この時点でゲームレビューをアップする。

SPONSORED LINK

レビュースコア

ゲームタイトル スコア ランク 評価観点
バットマン:アーカム・ナイト
5 D
  • インプレッションは普通とつまらないの中間
  • 凡作寄り
  • 購入前の期待値より下回る
[寸評]
薄暗い景色の中で、バットマンを操作してゴッサム・シティを暴れまわる怪人たちの討伐に奔走するオープンワールド・アクションゲーム。
戦闘は単調だが、アクションやギミックはそれなりに豊富。但し、操作するものが多く操作方法は煩雑。円滑にプレイするには、バットマンの操作、バットモービルの追跡時の操作、バットモービル戦闘時の操作を全て覚える必要がある。操作画面のボタンの割り当てはげんなりするほど多い。
ミッションの解法も難易度が高く、ファンアイテムの領域を遥かに超えている。
プレイヤーの判断で何かをする場面は少なく、終始バットマンに判断のイニシアティブを握られ続けるため、プレイ中はストレスが多かった。
購入前に思っていたようなゲームとは違っていたため、メインクエストをエンディングまでプレイする意欲がなくなり、プレイを続けることを断念した。
2015/10/22変更履歴 旧レビュー65点を50点に変更。
2021/10/17変更履歴 旧レビュー形式を新形式に変更。旧レビュー50点を新レビュースコア5,ランクをDに変更。
  • ジャンル:オープンワールド/アクション
  • プレイ人数:シングル
  • プラットフォーム:PlayStation 4/Xbox One/Microsoft Windows
  • 発売日:2015年7月16日
  • 開発:Rocksteady Studios
  • パブリッシャー:ワーナー・ブラザース

レビュースコアの採点方法については以下リンクを参照。

総評

バットマンは映画「ダークナイト (The Dark Knight)」くらいしか見た事がなく、取り立ててファンというわけではないが、PS4で新作が出るという事もあり、楽しみにしていたゲーム。
結論から言うと、自分の嗜好とは全く合わなかった。

このゲームに付いては、「考えるヒーローゲー」というワードが最も的確にゲームの本質を表していると思う。
豊富なガジェットを駆使し、ミッションをクリアしていく、頭を使うタイプのゲームだ。

筆者はバットマンのゲームは初プレイだったが、思っていたより難易度が高かった。
実際、今現在発売されているPS4のゲームの中では、最も難易度が高いゲームではないかと思える。

メインミッションはともかく、サイドミッション全般はクリア条件がシビアで、解法が分かっても操作が追いつかない。
特にリドラーのレース全般はそうだが、外国人特有の、難解な謎やリドルの要素が多い。
唐突に、ある困難な状況に放り出され、ヒントはバットマンが呟く独り言だけ。
あとはプレイヤーが何とかしてね、というシチュエーションが多く感じる。

バットマン本人とバットモービルで大きく操作形態が異なる複雑な操作画面

このゲームに関しては、インプレから最後まで「面白い!」と思うことが全くなかった。
プレイしていて最もストレスを感じていたのは、ゲームの展開をバットマンに握られ続け、操作している「プレイヤーである自分」は「観客で傍観者」という、このゲームの構造にある。

バットモービルを操作している所。外観はカッコいいが、操作するとラジコンを動かしているように操作感が軽いのが気になる

このゲームの「インタフェースとしての作り」は異質で、ガジェット選択画面はあるが装備欄もインベントリもない。
アイテムの入手も全てカットシーンを挟まれて行われる。バットマンと協力者たち(執事のアルフレッドやオペレーターのオラクル、ウェイン・エンタープライズ社のフォックス等)との間で、必要なアイテムや入手に関しての会話が行われる。
が、そこにプレイヤーの意思は介在しない。入手したアイテムの使い方が、プレイヤーに指示されるだけである。
カットシーンや台詞に、選択肢も勿論存在しない。

プレイヤーに出来るのは、優先処理するミッションを選択するくらいだ。後は、バットマンの考えや判断に従って、粛々とミッションを行うだけになる。
(但し、バットモービルのアップグレードの選択肢等、プレイヤーの判断が介入可能なものも一部にはあるため、このゲームが完全にプレイヤーの介入を否定しているというわけではない。)

バットマン:アーカム・ナイトでは、終始薄暗い画面の中でプレイすることになる

他に思ったのは、バットマンの幻影に出てくるジョーカーを初めとし、ゴッサムの怪人たちがバットマンを好きすぎて困る。
主役級の怪人から、雑魚敵に至るまで、全員バットマンを「殺したいほど大好き」過ぎて、バットマンの気を引こうとここぞとばかりに暴れまくる。
ある意味、見方を変えれば、このゲームは「バットマンとゴッサムの怪人たちとの恋愛ゲー」とも言える。
ミッション達成度は恋愛度成就の度合いというところか。
特に、延々とバットマンに付き纏う、ジョーカーの狂った演説は、このゲームの見所といえるだろう。

ガジェット選択とマップ画面

まとめると、ヒーローゲーという特殊な部類のゲームといえ、バットマンに特別な思い入れがなければ、そこまで面白いとは思えない。
また、原作や映画ファン向けのアイテムにしては、ゲームの難易度が余りにも高すぎるように感じる。

その他の評価点

Good Bad
  • 狂気に満ちたジョーカーの幻影。
  • バグの少なさは良点。これだけオブジェクトが大量に有り、バットマン本人の動きも複雑なゲームで動作バグが全くなかったのは凄い。ローカライズに関しても誤字や文字化けも目立つほどはなかった。字幕表示しているときに恐怖の街の事件の概要でバットマンとアルフレッドが話している時のアルフレッドの台詞に助詞がなかった。(レーダーで~といっているが字幕はでがなかった。)他、数箇所ローカライズ文章がおかしかったくらい。
  • メカの見せ方の格好良さ。バットモービルやバットウィング、バットスーツなどのメカの見せ方が格好良い。
  • ゴッサムの街並みの毒々しさ。
  • ダイブ→グライド飛行→グラップルフックで急上昇移動するというアクションの面白さ。
  • ミッションクリアに頭を使う。ガジェットを適切な場所で選択して使いこなさないと、ミッションがクリア出来ない。ガジェットは近未来的だが、使い方は物理法則に則っていて不自然ではない。例えばエースケミカルの従業員救出で地階に閉じ込められた従業員の救出方法等。
  • 英語音声非対応。本編音声を日本語にしかできない(DLCのみ音声英語対応) →これに関しては遅ればせながらアップデートで英語音声が選べるようになったとのこと。
  • 地図のレーダー表記が分かり辛い。
  • カットシーンがキャンセル不可。
  • 雑魚敵との戦闘に意味が薄く、アクションも面白くない。タイミングよくボタンを押すかどうかのリズムゲー。これほど戦闘アクションがつまらないゲームは余り記憶がない。。
  • グラップリングフックを引っ掛けられる場所にマークが出るのは要らなかった。例えば、ダイイングライトやトゥームレイダーではフックを打ち込む場所は自分で選べるので自分でルートを作っているという感覚があったが、バットマンでは打ち込めない場所はXが出てそもそもフックが出せない。例え外してもいいのでフックを出したかった。
  • 会話に選択肢が(ほとんど)存在しない。カットシーンになってもずっと見ているだけの状態でストーリーに干渉する余地が一切ない。カットシーン自体も長いので悪い意味で映画的にずっと見させられている気分だった。
  • 操作が多すぎて煩雑過ぎる。「バットマン本体の通常操作」「バットマン本体の戦闘操作」「大量にあるガジェットごとの操作」「バットモービル移動形態時の操作」「バットモービルバトル形態時の操作」と、操作する系統毎にコマンドが全てのボタンに割り当てられていて、非常に操作で覚えることが多く、操作性が煩雑過ぎる。
  • 一応最低限のコマンドは画面にヒントは出してくれているが、それでも覚えきれないほど操作がある。
  • 任意のタイミングでセーブ出来ない。状況が詰んでも再スタートで戻れることはできるが、どこまで戻るかが分からないので任意でセーブしたいが出来ない。
  • 敵から常に煽られる。常に怪人や雑魚敵の音声ログを拾っているので、常に罵倒され煽られている状態でプレイし続ける必要がある。そういう世界観なのでということはあるが、煽り音声をオフに変更出来ても良かったのではないか。
  • ボタンを押した時の反応が鈍い。証拠のスキャンや敵の尋問など、対象オブジェクト近くにいってボタンを押しても反応しないことがある。
  • オペレーターと任意に通信できない。アルフレッドやオラクルなどのオペレーターとホログラム通信が表示されるのは、一見格好いいが、飽くまでカットシーンのみの演出で自分からの操作では一切通信することは出来ない。
  • バットモービルがラジコンみたいに動作が軽い。カットシーンではあれほどメカニカルに重厚感があるのに、いざ自分が動かすと金属的な重さや軋みという部分が全く感じられない。
  • 完全武装した敵が何十人も居る中、単身飛び込んで拳一つで制圧するバットマンに理不尽さを感じずには居られない。殺したくないならないで幾らでも武装の選択の仕方があるだろうと思うが、ヒーローのバットマンにはそれは許されず、常に体術と微妙な効果のガジェットで勝負するしかない。

ゲームレビューカテゴリの最新記事