ELDEN RING(エルデンリング) ゲームレビュー 「名作か、迷走か。ダクソの実質的後継は賛否分かれる超大作」【PS4】

ELDEN RING(エルデンリング) ゲームレビュー 「名作か、迷走か。ダクソの実質的後継は賛否分かれる超大作」【PS4】

PS4版『ELDEN RING(エルデンリング)』ストーリークリア後の総評とレビュースコアを掲載します。
※購入価格はスタンダード版DL購入(9,240円)。
※初見一周目クリア
※プレイ時のバージョン(一周目クリア時点)App Ver. 1.04/Regulation Ver. 1.04.1
※シングルプレイのみ(オンライン共闘・対人なし)

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レビュースコア

ゲームタイトル スコア ランク 評価観点
ELDEN RING
8/10 A-
  • メカニクス(アクション・操作性・戦闘)
    8/10
  • 世界観・ストーリー・登場人物
    6/10
  • グラフィック・モデリング・画面UI
    8/10
  • サウンド・BGM・音響効果
    6/10
  • インプレッション・熱中出来る要素
    6/10
  • クオリティ(バグ・ロード時間 etc)
    6/10
[寸評]
全世界を熱狂させた『DARK SOULS III(ダークソウル3)』が2017年にDLC2部作で完結し、路線の違う忍者アクション『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』(2019年)を経て、満を持して発表されたのは『DARK SOULS IV(ダークソウル4)』ではなく新規IPとなる『ELDEN RING(エルデンリング) 』だった。エルンデンリングではダークソウルの正当進化ともいえるゲーム性になっており、オープンフィールド的に繋がる各エリア、騎乗での移動・戦闘やワールドマップの採用など多数の新要素を盛り込み、作家ジョージ・R・R・マーティンを迎える事で世界観も深みを増している。文字通り超級の大作・話題作となったが、ダークソウル的なシステムや文脈は依然としてそのまま使われており、オープンフィールドの採用に適していたとは言い難い。幾多の死を経て王に繋がる道へ苦闘するこのゲームは信じられない程面白いが、同時に多数の歪つさ、不自然さを感じながらのプレイとなる。名作か、迷走か。クリアした今も判断が出来ないゲーム。

2023/3/7変更履歴 レビューのランクをA+からAに変更。評価観点等を変更。
2024/3/22変更履歴 レビューのランクをAからA-に変更。クオリティを8から6に修正。(2024年3月にプレイして、落下死しないはずの部屋でのジャンプから死亡になったため、スタックや死亡バグが未だに改善されていないと判断)

  • ジャンル:アクションRPG
  • プレイ人数:シングル/オンライン共闘・対戦あり
  • プラットフォーム:PlayStation 4,PlayStation 5, Xbox One, Xbox Series X/S, Windows(Steam)
  • 発売日:2022年2月25日
  • 開発:フロム・ソフトウェア
  • パブリッシャー:フロム・ソフトウェア/バンダイナムコエンターテインメント

レビュースコアの採点方法については以下リンクを参照。

総評

『ELDEN RING』ゲームプレイトレーラー

『ELDEN RING』(エルデンリング)はここ数年で出たゲームの中で最も話題となった超大作。
ゲーム史においてもエルデンリングは恐らく重要な作品となる。
向こう10年かそれ以上かも分からないが、このゲームに比肩するゲームはほとんど存在しないだろう。
今後発売されるオープンワールドやダークファンタジー、アクションRPGといったゲームの指標に、エルデンリングと比較されるという宿命を負わせてしまった。

しかし、300時間以上を経て初見クリアした現在は、エルデンリングが名作なのか、『ダークソウル3(ダクソ3)』から飛躍を目指した結果、迷走した作品に過ぎないのか、自分でも結論が出ないままレビューを公開する事になった。

エルデンリングの初見インプレ

ゲームスタート開始後、鬱屈とした暗い洞窟から出ると、一転して緑草に覆われたリムグレイブの大地が広がっており、遥か遠方にはストームヴィルの城が聳え立つ。
自分が過去プレイしたあらゆるゲームの中でも、高評価とした『ドラゴンエイジ オリジンズ』『ブラッドボーン』などと比肩するゲームだと感じさせた。

「あなたは王になる器」謎めいた少女メリナの導きで「エルデの王」を目指す旅へ

ドラゴンエイジで感じたゲーム製作者の狂気、ブラッドボーンにおける戦闘のクオリティ、そうしたゲームのクオリティが孕む狂気をエルデンリングもまた有しており、ゲームがここまでの高見に達せられるのかを、またしても見る時が来るとは思わなかった。
エルデンリングをプレイして思うのは、『ダークソウル3』というベースになっているゲームから、一切の妥協をせず、クオリティが落ちていないのが最も凄いと感じた点だ。

新規IPで新要素を入れるに当たり、既存の要素をそのまま維持するのは難しく、どうしてもクオリティは犠牲になりやすい。
しかしエルデンリングでは、ダクソ3の直感的なUIや操作、アクションのフィーリングや、文脈を読ませる謎多き世界観などを維持したまま、新しい要素を入れ込んでいる。
エルデンリングのレビューや記事では新要素だけを扱う物が多いが、自分が最も印象深かったのは、既存のクオリティを維持したまま新要素を入れ込んである程度成功していた点だ。

ダクソベースの従来要素とエルデンリングから導入された新要素が融合

ソウルシリーズでポイントになるのは、探索要素・謎多きストーリー・リアルな造詣で多彩な戦闘アクションが可能である事だが、エルデンリングではそれらが充足されつつ、豊富なアイテムや装備品・多数の戦技や遺灰、魔法・祈祷などのシステムを利用してプレイヤー独自の戦い方を試行錯誤する事が可能になっている。
勿論、圧倒的に手強いボス戦もソウルシリーズに欠かせない要素だろう。

依頼する女と抱きしめる女

ダクソベースのクオリティを維持する事は達成された。加えて、エルデンリングでは新しい要素を提示する。
無論、作家ジョージ・R・R・マーティン(ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』の元になった小説『氷と炎の歌」の作者)が世界観の構築に深く関与した『エルデンリング』という世界観を得て新規IPのゲームを作るのだから、新要素の方がメインになる。
ダクソベースだけでいいなら、『ダークソウルⅣ』を作ればよい。

霊馬を駆って時には徒歩で様々な大地を往く


ソウルシリーズでこれまでなかった、エルデンリングでの新要素とは、どういったものがあるのか。
一例としては以下になる。

  • シームレスにつながった広大なフィールドと多数のダンジョン
  • ワールドマップの表示とファストトラベル
  • 移動手段の増加(騎乗移動、ジャンプ、しゃがみ(ステルス)など)
  • 戦闘手段の増加(騎乗戦闘、ガードカウンター、ジャンプ攻撃、遺灰など)
  • バフ手段の増加(大ルーン・霊薬など)
  • アイテム収集・製作
  • 竜の力
  • 朝・昼・夜の時間経過や雨・雪など局地的な天候の変化
  • その他の要素(追憶など)

祝福はダクソの「篝火(かがりび)」とほぼ同じだがメニューが増えている

逆に、ダクソ従来の要素としては以下が挙げられる。

  • ソウル⇒ルーン(通貨兼レベルアップ時に消費する経験値。ダクソと同じ仕様)
  • 篝火⇒祝福(リスポーンポイントとなる。ほぼダクソと同じ仕様だがメニューが増加)
  • 魔術⇒魔術(ほぼダクソと同じ仕様)
  • 奇跡⇒祈祷(ほぼダクソと同じ仕様)
  • エスト瓶⇒聖杯瓶(ほぼダクソと同じ仕様)
  • 戦技⇒戦技(ほぼダクソと同じ仕様だが戦技の付け替えが可能に)

また、シリーズ恒例といえるNPC「不屈のパッチ」を始めとする「例のシーン」も漏れなくゲーム中に登場するなど、世界観や人物の一部はダクソシリーズと共通しているようだ。

パッチの例のシーンや恒例のイベント

エルデン疲れでクリア後周回をする気力もなく

初見インプレは素晴らしく良かったが、ひと月、ふた月とプレイ時間も200時間を超える頃から、最初の興奮とインプレッションは薄まり、ただただきついゲームと化していった。

ダンジョンの大半はアトラクション的なものであったり、ストーリーに関係なく装備を得るためだけにボスが配置されているようなもので、数は沢山あるがどれも似たりよったりの内容だ。
各地の坑道も、もっと広く複雑に入り組んだ地形なら探索し甲斐もあったかもしれないが、大半は狭く、強化材の鍛石も少ししか取れない。

ダンジョンの入り口

ストーリーに転換点が訪れることは最終盤までない。メインストーリーのルートに乗って探索エリアや建物は遷り変っていくが、道中何も起きず淡々とゲームが進んでいく。
移動範囲が広い割りにゲームが盛り上がりなく終盤まで進んでいくので、モチベーションを保つのが段々難しくなってくる。

展開を盛り上げる筈のNPCイベントのフラグを追うのは初見で情報なしでは難しく、まず不可能だろう。
ゲームサイトの記事などから時折目に入る情報で、もうフラグを立てる事に失敗してNPCイベントが不成立だと分かっていても、メインをクリアするために進めざるを得ないのは辛かった。

霧の向こうに待つボスとは

加えて、最終盤のボス敵はここまでする必要があったのかと思う程の異様な強さに設定されており、この理不尽な強さは開発者の自己満足ではないのかという疑念が生じてくる。
自分がクリアしたのは2022年5月30日だが、その時点で最終ボスクリアトロフィーの取得率は15.8%だった。(ゲーム発売日は2022年2月25日。)
いかにボス戦のクリアが至難の業となっているかはこれを見ても明らかだ。

発売当初には、最序盤に登場するボス・マルギットが強すぎて倒せないと話題になったが、マルギットがそうであるように、不自然な遅らせ攻撃(ディレイ)をするボスが多く、それもストレスを生じさせる一因になっている。
結局ストーリークリアはしたが、最後はエルデン疲れというべきかゲームを楽しむ余裕すらなく、もうこれで終わりにしたいという一心でボス戦をトライアンドエラーしていた。

ダクソ3やブラッドボーンでは、クリア後もNPCイベントのチェックのために、周回を何度もプレイしてこんな展開があったのか!と楽しんでいたが、エルデンリングではその気は起きなかった。
見ていないNPCイベントや倒していないボスが未だ多数あるにも関わらずだ。

祭りじゃー!

隻腕の少女

フィールドは拡張されたが、ダクソ的な文脈とは親和性が悪い

ダクソに慣れている人ほど、エルデンリングでのフィールドの物量の広さや、無数にあるダンジョンに圧倒されるだろう。
街道や平地を行くと、洞窟の入り口や不可思議な建物があり、入ると中には襲いかかる敵や最奥に潜むボス、時にはアイテムが眠っている。

エルデンリングではこのような面的な広さは拡張されたものの、これまでのソウルシリーズにない新しい遊び方の提示までは出来ておらず、プレイスタイルは従来の延長線上に留まっている。
偶に街らしきものがあっても、廃墟や瓦礫があるだけで、住人が生活を営なむような居住地はどこにもない。
ストーリー進行は、思わせぶりなカットシーンが断片的に入るだけで、大半はプレイヤーの想像に委ねられる。

エルデンリングのメインストーリーでは、重要人物は序盤少し顔見せで登場し、その後ゲーム中の大半では登場しない。
果たしてこのゲーム性でフィールドを広くする意味があったのかという事や、ダクソ的な「敢えて語らず」という文脈との親和性には疑問が残る。
これらから、このゲームに対する歪な印象や不自然さが否が応でも増してくる。

唐突に訪れる重大な岐路

エルデンリングの購入に迷っている方への情報

エルデンリングって面白い?

『ダークソウル』シリーズや『ブラッドボーン』をプレイして、面白いと思った人なら手を出してもいいのではないか。
確実に言えるのは、理不尽なほど恐ろしく手強いボス敵が、数多く待ち受けている事だ。
ボスに何度も挑み続ける必要がある。それが辛いという人にはお奨めはしない。

また、広大なエリアや数多くのダンジョンがあるため、長時間の探索も必要になるが、ゲームをサクサク進めたい人や、探索が面倒くさい人にも余り向いていない。
とはいえ、ある程度自由なプレイスタイルでも進められる懐の広さは持っている。

エルデンリングの特徴は?

「アクションRPG」「ダークファンタジー」「荒涼とした世界観」「作り込まれたシステム」といった『ダークソウル3』の要素を受け継ぎつつも、「オープンワールド的に繋がったエリア」「騎乗戦闘」「ワールドマップ表示」「ファストトラベル」「アイテム製作」など、これまでダクソシリーズになかった要素も盛り込まれている。

探索によって新たな装備を発見したり、レベルアップによるキャラクターの成長要素があるが、敵(特にボス)が非常に手強いため、プレイヤー自身のスキルも必要なゲームとなっている。
オンライン要素も充実しており、ヒント・メッセージや他プレイヤーの死亡時の様子が表示されたり、ボス共闘や侵入(対人)等の要素もある。

ボス戦では、協力NPCや他のプレイヤーを召喚して共闘する事で、難易度をある程度下げる事が可能となっている。
これらはこれまでのダクソシリーズと変わらない。

エルデンリングって実質ダクソだよね?

ダクソシリーズの特徴を多く引き継いでいるので、かなり似ているのは間違いない。
特にダンジョンの中では霊馬での移動が出来ないため、従来のダクソシリーズと違和感はない。
フィールドでは、霊馬を駆って広いエリアを疾走して移動するので、従来のダクソとはプレイフィールは異なっている。

エルデンリングの新要素ってどういうものがあるの?

新要素としては主に以下のものがある。
どちらかというとシステム的なものが多い。

  • オープンフィールド……各フィールドのエリア間がオープンワールド的にシームレスに繋がっている。
  • 騎乗移動・騎乗戦闘……移動の慣性や癖があるので最初はやり辛いが、慣れの問題。祝福間はファストトラベル出来るとはいえ広大なマップなので、霊馬での移動が必須。
  • ワールドマップ表示……普通のオープンワールドと同じくマップを埋めるのが攻略要素になる。マップで未到達のエリアのどこを攻めていくかなど人に拠って個性が出る。
  • ファストトラベル……マップを開いて△ボタンから祝福リストを表示して移動、或いはマップ上の祝福アイコンを直接押す事でも移動が可能になっている。
  • アイテム収集・製作……収集や製作は面倒なら全くやらなくてもゲームの進行に影響はない。
  • 遺灰……これまでもボス戦で白霊体を召喚して共闘が出来たが、今作では白霊体とは別に「遺灰」を召喚して使役出来る。遺灰は召喚可能なエリアならどこでも召喚出来、デコイになったり共に戦ってくれる存在。

エルデンリングの難易度やクリア時間は?

クリア時間は人によるとしか言えないが、エルデンリングのフィールドやエリアはダクソよりも圧倒的に広く、敵やボスの数が多い。それだけ時間がかかる。
難易度としては、自分が過去プレイしたアクションRPGの中では、トップクラスに難しい。
攻略情報を見ずに初見プレイでソロクリアを目指した場合は、クリアまでに膨大な時間を必要とするだろう。

完全オフライン(シングルプレイ)でもプレイ可能?

オフライン(シングルプレイ)でプレイ可能。
但し、ゲームサーバーにデータが保存されるため、ネットワーク接続した状態でプレイする必要がある。

オープンワールドらしいけど移動はだるいの?

地図を開いてファストトラベルで一瞬で移動出来るため、移動に関してはそれほど面倒ではない。
地図から△ボタンで祝福(復活ポイント)リストから移動地点を選べるほか、地図上の祝福マークを押すことでも移動出来る。
フィールドでは、霊馬を呼び出せるエリアであれば、騎乗して高速移動が可能。
但し、ダンジョンや一部のエリアは徒歩で移動するしかない。
全体的には、オープンワールドとしての移動の面倒くささは、普通のゲームと同じくらいだろう。

難易度設定はある?

難易度設定はない。レベルを上げるかオンライン共闘する事でボスを倒しやすくなる。

アクションゲーム下手だけど大丈夫?

ゲームが合うかどうか不安な人は、まず『ダークソウル3』を買ってプレイする事をお奨めする。
その上で、面白いと感じたなら、エルデンリングも問題なくプレイ出来るだろう。
逆にダクソ3が合わない人には、エルデンリングはお奨めしない。
エルデンリングはキャラモデリングやシステム、UI、戦闘のベースがほぼダークソウル3であると言って差し支えないため、ダクソ3を面白いと感じるかどうかが一つの指標になる。

バグは多いの?

バグは幾つか存在する。自分が経験した中では、オブジェクトや巨大な敵にプレイヤーが挟まれている場合、空中に浮いた状態になり操作出来なくなったり死んだりするというもの。
TPSのゲームでは比較的遭遇しやすい現象。
再現する可能性は数10~100時間に数回と低めなので、ほぼ問題なくプレイ出来るだろう。
他には死んで祝福に戻った際、HPは通常なら満タンまで回復するはずだが、1割くらい回復していない事がある。
例えばHP1,675で死んだ場合、復活後にHP1,200くらいまで減っているなど。
この場合、再度祝福に入ればHPが満タンになる。

PS4版でもフレームレートやロード時間などは問題ない?

自分はノーマルPS4でプレイしている(フレームレート30)だが、特に問題なくプレイ出来ている。
ただ、ロードは遅く祝福間でエリア移動した場合や、死にリスポーンした場合、ロードで10~20秒程度かかる。特にボス戦で何度もやり直す際は、ロード時間は地味に蓄積が大きい。
ロード時間を短くしたい人は、PC(Steam)やPS5、PS4Proなどでプレイした方がいいだろう。

エルデンリングのDLCは出てるの?

2022年6月時点ではDLCは出ていないが、ダクソ3でも複数のDLCが出ている事や、人気タイトルであるため、今後DLCが発売される可能性は高いと思われる。

その他の評価点

高評価の項目 低評価の項目
  • キャラクタークリエイトが充実。
  • ダークソウル3をベースとしたクオリティやプレイアビリティを維持しつつ、戦闘手段や移動手段・バフ手段など多数の新要素を追加。
  • ソウルシリーズの弱点とされてきたエリアの狭さを、オープンフィールドの各エリアをシームレスに繋げることにより不満を解消。移動手段としてこれまでなかった馬(霊馬)に騎乗することで移動の遅さも解消。一方ダンジョンでは馬に乗れないなど、制限も設けられている。
  • 世界がオープンフィールド的に広がっているが、オープンワールドの悪しき慣習である「クエストマーク」や「クエストリスト」を採用しなかったのは英断。
  • 時間経過や天候変化がありイベントに影響する。
  • 戦闘中以外は走ってもスタミナが減らなくなったのは地味に便利。
  • UIを常に消す・状況により消すなどが選べる。
  • 装備で概観が変わる。
  • NPCイベントは健在。
  • マルチエンド採用。
  • バランス調整やバグフィックスなどのアップデートが早い。
  • ベースがほぼダークソウル3である事は、裏返すと新規IPとしてはこれが売りの要素と言える物が薄い。エルデンリングとは何かと問われて「オープンワールド(的)なダークソウル」という回答が多いのではないか。新規IPとして成功したブラッドボーンに比べるとインパクトは落ちる。
  • 新要素はあるが世界観やモデリング・プレイアビリティは極めてダークソウル的であり、新たなゲーム性を創造する所までは到達していない。
  • リニアなステージではなくオープンフィールドのため、あるエリアでレベルを上げ切ってしまい、別のエリアのボスが楽勝になってしまうという状況が頻繁に起きる。
  • オープンワールドに近いシステムを採用しているのであれば、NPCやイベントを通して世界観が饒舌に語られるべきだが、ダークソウルを踏襲した「行間を読ませる」ゲームデザインになっている。このため、折角のオープンワールド的につながったエリアもゲーム性に今一つ噛み合っていない。エリアの広さに対して敵は多いものの、登場NPCが非常に少ないため、オープンワールドの良さを活かしきれていない。この点でもダクソ的な作りにオープンワールドが果たして合っていたのかという疑問を生じさせてしまっている。
  • ミニマップがないためマップを一々開かないといけない。マップがいつでも開けるならいいが、戦闘中は開けないのが地味に面倒。(敵を排除するか戦闘エリアを離れないとマップが開けない。)
  • 戦闘のBGMがやや地味で高揚感や盛り上がりに欠ける。
  • ロード時間についてはノーマルPS4の場合10~20秒前後かかる。
  • ダンジョンが狭い。一部の建物やエリアはコピペ感が強い。
  • マップにマーカーが付けられるが何に対応しているのか分からないマーカーが多いので使いづらい。
  • 装備の強化アイテム(鍛石)が中々ドロップしない。
  • 一部の武器を鍛えるには「喪色の鍛石」が必要(強化の段階に従って鍛石も段階を踏んで強化が必要)だが、喪色の鍛石を販売しているNPCを発見出来ないと、喪色の鍛石[1]が入手出来ず、武器を鍛えることが出来ない。([1]を入手しないと、[2]以降の強化が出来ない。)筆者は中盤以降その商人を発見出来たが、そのため、序盤はほとんど喪色の鍛石で武器の強化が出来なかった。それだけ重要な強化素材なので、拠点といえる大祝福のNPCで序盤から販売するべきではなかったか。
  • 不自然なディレイ攻撃をするボスが多過ぎる。
  • 対複数ボス戦が多すぎて萎える。最初から2体出現パターン、ボス1体戦闘中別のボス出現パターン、ボスを倒したら更に別のボスが出現パターンなど。
  • 敵の数が過剰に配置され過ぎている。フィールドは広いが敵ばかりいて戦闘しか起こらないという状況が多い。
  • スタックや死亡が絶対にない部屋や地上でのジャンプ後に死ぬ等、バグが残っており、いつまでもフィックスされない。
  • 冷たい谷の踊り子・無名の王・王たちの化身など良ボスが多かったダークソウル3に比べ、エルデンリングでは開発側の自己満足とも取られかねないほど、理不尽且つ不可解なレベルで終盤のボスが強すぎる。
  • 戦っていて全く面白くない、所謂「ク○ボス」が多い。
  • 普通に進めていてはNPCフラグの大半が成立せずにイベントが何も起きない可能性が高い。
  • ある地域の祝福に触れるだけでフラグが成立しなくなる等、NPCのフラグ管理が異常なレベルで難しい。偶発的な要素が絡んでも失敗する事がある。(フィールドモブの攻撃を食らって死亡する等)フラグ成立条件を知っていてもプレイには最新の注意を払わないとならない。
  • 特定座標のある場所に擬態や草むらに隠れているNPCを見つける等、砂粒から砂金を拾い出すような作業を要求される。
  • フィールドが非常に広いため、周回プレイが現実的ではない。ストームヴィル城、リエーニエ周辺、魔術学院レアルカリアのみの探索でNPCフラグの成立と最低限のボス討伐だけでも70時間かかった。
  • 新システムの遺灰と戦技付け替えは不要だと感じる。
  • 騎馬が操作し辛く、騎馬戦闘も非常にやり辛くストレスを感じやすいが、ドラゴン戦等で騎馬戦闘をやらざるを得ないシーンが何度かある。

クリア時スタッツ

初見一周目のストーリークリア時スタッツを掲載します。
※ネタバレを避けたい方は以後の参照を注意下さい。

コンセプト

特に何の事前情報も調べずプレイ開始したが、素性は装備の外観が格好いい「密使」を選んだ。
密使は近接戦闘が可能で初期装備で物理カットが高い盾を持っているほか、祈祷「性急な回復」が使えて生存力が高く、最初に選ぶ素性としては悪くないと思う。
ただ、これ以降も攻略情報を全く調べずに進めていたため、大半のNPCフラグやボスの出現フラグは悉く失敗していた。
これに気付くのはゲームの終盤だったが時既に遅しだった。

一周目クリアレベルは140。本来120レベルくらいが適正だと思うが、終盤のボスの強さからレベルを上げないとクリア出来ないと思い、レベルアップ作業は苦痛だったが140まで上げた。
画像ではレベル144になっているが、ラダゴンを倒した後に2周目に入ったため、ルーンを捨てるのも勿体無いのでレベルアップしたため。
(以下にボス攻略動画を掲せているが、動画の最初にステータスを表示している。)
武器は神狩りの剣+10を所持しているが、序盤から終盤までは黄金のハルバード+9をメイン武器として使っていた。
ステータスも終盤までは脳筋ハルバード戦士ステだったが、一度振り直して上質寄りのステに変えている。

キャラクタースタッツ

序盤からの流れをざっと振り返る。
ボス「忌み鬼、マルギット」はレベル38で討伐。
序盤の武器は「君主軍の大剣」を使っていた。
マルギットは白霊体召喚と遺灰を使ってデコイにすれば比較的簡単に倒せていた。

ボス「接ぎ木のゴドリック」はレベル41で討伐。
ゴドリックは白霊体の戦士ネフェリ・ルーがほぼ一人で倒していた。

この後、リムグレイブにいるツリーガードを倒して武器「黄金のハルバード」を入手。
終盤まで黄金のハルバードを主力武器として使っていた。
一見地味な武器だが、R2溜め強攻撃からの強靭削りが凄まじく溜めR2からの溜めR2を当てると、ボスでも一撃でスタンさせられる。
リーチと重量の軽さでも優秀な武器だ。

遺灰は「霊クラゲ」を最後まで使用。
噂では「写し身の雫」や「黒き刃、ティシー」が強いという情報が流れてきたが、どこで入手出来るか分からないので使えなかった。
霊クラゲはHPが高く、デコイとして耐久力が高いため、ボス戦でも十分使える。
黄金のハルバードと霊クラゲで大半のボスを撃破していった。

「隕鉄の刀」を入手した時はこれをメイン武器にしていこうと思っていたが、ダメージ等が物足りず結局メインにするには至らず。
戦技「グラビタス」で重力波を発生させる対コウモリ用の専用ウェポンとして活躍した。
ファロス砦にはハーピーが多数出るので、これでルーン稼ぎが楽になっていた。

赤獅子城に潜入するが、ボス「混種の戦士」「坩堝の騎士」が倒せず、かなり時間を浪費した。
レベルアップでルーン稼ぎのため獣の神殿近くの卑兵を倒していた。
卑兵は弱い上に一体倒してルーンが1,000以上稼げたので、探索もせずひたすら卑兵だけを倒し続けていた。
序盤の自分の動きとしてはとにかくルーン稼ぎとレベルアップばかりしていた。
このため序盤で回るべきエリアが未探索で、終盤にエリアのボスやアイテムを回収する必要があった。
もう少し序盤での探索に時間を割けば良かったと思う。

西のエリアが未探索だったためリエーニエやレアルカリアのマップを埋めていくが、ここでかなり時間を取られたためか、イベントやNPCのフラグが終了してしまっていた。
恐らく全域を探索せずに、ある程度ピンポイントでイベントやNPCフラグを回収していく必要があるのだろう。

その後アルター高原や火山館に行くが、「火山館の一員になれ」と言われて、何の説明もなくコイツは何を言ってるんだと思い、頑なに拒否し続ける。
何のフラグも立たずに進めていたため、何でこんな何も起きない場所があるのだろうと思っていた。
王都ローデイルや地下を一通り回り、この頃にはもう実時間が2ヶ月近く経過していた。
色々な記事やNPCの情報が耳に入り始めており、自分の周回ではNPCフラグやイベントフラグが立たなくなっていることが分かってきた。

巨人たちの山嶺を巡り、メインルートの選択肢を行って崩れゆくファルム・アズラへ移動。
ボスへの対策でアイテム入手のため、火山館のイベントルートを検索した所、結局火山館の一員になる必要があったと知り愕然とする。
後は最終盤のボスへ。
地獄のトライアンドエラーを繰り返してクリアに至る。

一周目は正直面白くなかった。ストーリーの裏で何が起きているのかも分からずただひたすら目の前にボスが出たら倒すだけ。
唯一面白かったのは、理不尽な強さを持つボスに対してどうやって倒すかという作戦を考えたり試行錯誤する所だろう。
例えば宿将オニールは大量の部下を召喚して一対多数を強いられるが、オニールをどうやって誘導してタイマンに持ち込むかなど、作戦を考えて上手く倒せた時は楽しかった。

自分のプレイの終盤ボス3戦
(※エンディング等のネタバレがあるため動画を見る際は注意)

結局フラグが立たず戦っていないボスが多数いるが、手強かったボスや辛かったボスは、以下の順位だろうか。

1.黄金律、ラダゴン(エルデの獣)
2.黒き剣のマリケス(獣の司祭)
3.最初の王、ゴッドフレイ(戦士ホーラ・ルー)
4.赤獅子城ボス「混種の戦士」「坩堝の騎士」(結局倒せていない)
5.宿将二アール
6.宿将オニール
7.竜のツリーガード
8.神肌の使徒
9.暗殺教授ミリアム
10.黒き剣の眷属

ゴッドフレイ(ホーラ・ルー)やマリケスの一段階目は楽に倒せるが、最終形態になってからの行動が読みきれず。
結局運ゲーでクリアした。

ラダゴンは2段階目のエルデの獣と合わせてHPバー2本という事もあり全ボス中屈指の強敵。
中々これという戦い方が見つからなかった。
そもそもラダゴンを倒さないとエルデの獣の攻略も進まないため、まずはラダゴン戦だけを徹底的にやり込んだ。

キャラのステも最初に書いたように最終盤に来て始めて変更。
それまでは脳筋ハルバード戦士のR2溜め攻撃でほぼ全てのボスを倒してきたが、ボス耐性と武器の属性の相性でその戦法が使えなくなった。
そこでこれまでほぼ無視してきた戦技を使う事も視野に、レナラの産まれ直しでステータスを振り直した。

「神狩りの剣」にメイン武器を据え、信仰やFPを高めて技量寄りの上質にした。
神狩りの剣は重量が重くモーションに癖があり、決して使いやすい武器ではないがラダゴン戦では思ったより噛み合っていた。
ラダゴンがディレイ攻撃等何らかの行動をした後、ローリング回避からの小攻撃(突き)で削りをメインにした。
またラダゴンの上空から落下攻撃に対してガードカウンターを取る事で高確率でスタンが取れる事が分かり、ようやく安定させられた。

2段階目のエルデの獣の攻略に入る。
エルデの獣は聖攻撃の削りダメが大きいため、装備とタリスマンで聖カット率を高めた。
遺灰の使用タイミングや霊薬の種類も厳選。
攻撃面は神狩りの剣の戦技「女王の黒炎」を削りメインに使う事にした。
「女王の黒炎」はフルヒットすると4,000近いダメージを出していた。
女王の黒炎も全く使っていなかったが、ボス戦では非常に有効だった。

ギャラリー

幻想的な光景が広がるエルデンリングで撮影した画像の一部を公開。
ぜひゲームの中で体験して頂ければと思う。

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