Wizardry外伝 五つの試練 ゲームレビュー 「Steamで復活したダンジョンRPGの古典的名作、五つの試練」【Steam】

Wizardry外伝 五つの試練 ゲームレビュー 「Steamで復活したダンジョンRPGの古典的名作、五つの試練」【Steam】

Steam版『Wizardry外伝 五つの試練(Wizardry The Five Ordeals)』(以下五つの試練)のシナリオ「旅人の財産」をクリアしたので、ゲームの総評とレビュースコアを掲載します。
※購入価格はSteam早期アクセスで購入(2,682円)。
※ソフトリセット有りでプレイ。
※プレイ時のバージョン・System 2.0.20220114b ・Scenario 2021/06/11

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レビュースコア

ゲームタイトル スコア ランク 評価観点
Wizardry外伝 五つの試練
7 B
  • システム(アクション・戦闘・操作性):6
  • 世界観・ストーリー・登場人物:6
  • グラフィック・モデリング:7
  • サウンド・BGM:6
  • インプレッション・熱中出来る要素:6
  • クオリティ(バグ・ロード時間 etc):6
[寸評]
PC版で発売され評価が高かった日本オリジナル『Wizardry外伝 五つの試練』をリニューアルして発売されたのが、Steam版『五つの試練』。Steam版においてもシンプルさ・高難易度・オリジナルに準拠したシステムが再現されている。2千円台という低価格、5本の公式シナリオに加えてPC版で作成された100本以上のユーザーシナリオも付属するため、コストパフォーマンスも高い。Wizファンやオールドライクなダンジョンゲー好きには食指が動くタイトルとなっている。一方で理不尽な死やキャラのロストが起きるため、ゲーム性を予め理解した上で購入されたい。ソフトリセットが可能なので、リセットを使えば難易度は低くなる。
  • ジャンル:3DダンジョンRPG
  • プレイ人数:シングル
  • プラットフォーム:Steam
  • 発売日:2006年6月8日(PC版)/2021年12月17日(Steam版)
  • 開発:有限会社59(59 Studio)
  • パブリッシャー:IRI-C&T/イード(Game*Spark Publishing)

レビュースコアの採点方法については以下リンクを参照。

総評

ローンチトレイラー

ウィザードリィは、3DダンジョンRPGの古典的ゲーム。オリジナルの『Wizardry外伝 五つの試練』は2006年にPC版が発売され、好評を博した。
幾多のプレイヤーの心を折ってきた『五つの試練』がSteam版として蘇った。
2021年6月にイード(ゲームサイト「Game*Spark」のブランド)から発売予定となり期待されたが、その後延期を重ねて2021年12月にようやく発売となった。
ウィザードリィの版権問題は複雑だ。一度揉めたらもう二度と発売は不可能だろうと思っていたが、紆余曲折を経て発売に漕ぎ付けた事は朗報だ。

公式ツイッターにて発売が報告されたツイート

「五つの試練」の名の通り、独立した公式シナリオが五本付属しており、Steam版でもそれが楽しめる。
最初のシナリオ「旅人の財産」は、チュートリアル的な内容かと思いきや、難易度が高いので要注意だ。
第一階層で死亡は当たり前。宝箱を調べると爆発して全滅。
時間をかけて作った高ボーナスキャラが1レベルで死亡して蘇生失敗からのロスト。
理不尽と絶望が当然のように起こる狂気のゲーム、それがウィザードリィだ。
冒険者(プレイヤー)が掴むのは栄光か、それとも無慈悲な死(灰)か。

戦闘画面

五つの試練プレイの感想

以前、ウィザードリィとしては特殊な仕様の「囚われし魂の迷宮」をプレイしており、今回久しぶりにウィザードリィをプレイしたが、五つの試練は至極オーソドックスなウィザードリィだと感じた。
『戦闘の監獄』はPC版をプレイした事があったが、五つの試練は今回が初プレイだった。
デフォルトのシナリオ「旅人の財産」から、いきなり高難易度なのは驚いた。
(※シナリオを選ばずゲームスタートした場合、デフォルトで旅人の財産(Traveler’s Property)が選ばれた状態になる。)
プレイアビリティ的には、店のメニュー等で不便さは色々とあるが、不便さも込みで遊ぶゲームだと感じた。
シナリオによるかもしれないが演出はほとんどなく、NPCは数人しか登場しない。
ただひたすらダンジョン最奥のボスを倒すためだけに邁進する。ダンジョンRPGとしてはごくシンプルな内容だ。
記事末にもパーティー画像付きで感想を書いているので参照されたい。

迷宮内でのキャンプ

ダンジョンで遭遇する奇妙な人たち

必死に祈る瞬間

敵を倒し戦利品を獲る。ウィザードリィの醍醐味だ

全滅するとお墓が立つ

迷宮内にいかにも胡散臭い券売機が

この先は奈落。進むか戻るか

ウィザードリィ外伝の系譜

元々、オリジナルのウィザードリィのシナリオを、家庭用ゲーム機へ移植を行ったアスキーが、オリジナルの体裁を崩さず、日本独自の新しいウィザードリィとして製作したのが『ウィザードリィ外伝』シリーズとなる。
ウィザードリィ外伝シリーズは、1990年代に主にゲームボーイから発売された。

  • ウィザードリィ外伝I 女王の受難(1991年発売)※ゲームボーイ
  • ウィザードリィ外伝II 古代皇帝の呪い(1992年発売)※ゲームボーイ
  • ウィザードリィ外伝III 闇の聖典(1993年発売)※ゲームボーイ
  • ウィザードリィ外伝IV 胎魔の鼓動(1996年発売)※SFC

が、『五つの試練』はこの流れに属さず、更に「傍流の系譜」となっている。
『Wizardry外伝 戦闘の監獄』が2005年にPCソフトとして発売。戦闘の監獄に続き2006年にPC版『五つの試練』が発売された。
『戦闘の監獄』『五つの試練』とも、IRI-C&T(現イード)から発売。
五つの試練は、戦闘の監獄のシステムをベースに作られた。五つの試練の名前の通り、独立した五つのシナリオをプレイ出来る。
また、ユーザーがオリジナルシナリオを作るためのシナリオ作成ツールが付いていたのが特徴だ。

株式会社イードはニュースサイトの運営などを行っている企業で、ゲーム関連事業が主ではないが、著名な所でGame*SparkやiNSIDE等のサイト運営を行っている。
Game*Sparkが積極的に『五つの試練』の特集記事を取り上げているのは、このためだ。

購入に迷っている方やウィザードリィ初心者の方への情報

まずは、公式ページの良くある質問を見てみるといいだろう。
よくある質問について :: Wizardry外伝 五つの試練 総合掲示板(日本語)

Windows7でも動作しますか?

自分の環境では動作する事を確認済み。
但し、公式では保証とサポートの対象外のため、やるなら自己責任で。

旧バージョンのシナリオでは遊べますか?

公式の回答では遊べるとの事。
(旧バージョンの環境から新サーバーへ引き継がれている。)

Steam版でのシナリオエディタの入手方法は?

2022年を目途に公開される予定との事。
詳しくは公式ツイッター等で確認。
『ウィザードリィ外伝 五つの試練』公式

ポートレートの変更方法は?

以下の記事を参照。

Steam版はゲームパッドに対応しているの?

対応している。公式のよくある質問を参照。

キーボードとマウスのキーコンフィグは出来る?

2022年現在はコンフィグが出来ない模様。

Steamクラウドには対応している?

対応している。

Steam実績は表示される?

2022年現在はSteam実績※には対応していない。
(Steam実績……PS4のトロフィーに該当。)

バグはどのくらいある?

環境やシナリオによるので何とも言えないが、自分の環境ではバグで進めないという事はなかった。

マニュアルはないの?

Steamストアページの右下「マニュアルを見る」というリンクからマニュアルが参照可能。

ソフトリセットの方法を知りたい

以下のキーを同時押しする。

・キーボード
CTRL + F1

・コントローラー
上キー+R2

セーブメニューがない

オートセーブのため、手動セーブは出来ない。

オートセーブのタイミングを知りたい

以下は一例。
・ESCでゲームの中断を選ぶとセーブされる
・迷宮に一度入り、出た後ソフトリセットすると迷宮から出た後の状態でセーブされる
・迷宮のボス部屋等の前でソフトリセットすると、その時点でセーブされ、ゲーム再開時にボス部屋前から開始になる
・迷宮で戦闘中にソフトリセットすると、戦闘前の状態から開始になる

地図が表示されない

魔法使い呪文のウィザードアイを使えば一時的に表示される。
シナリオ設定次第なので、シナリオによってはミニマップが常時表示される。

レベルアップでHP上昇が低いのでやり直したい

宿屋に泊まってHP上昇が悪い場合はソフトリセットすると、ゲーム再開時に宿屋に泊まる前の状態に戻る。

キャラクリエイトボーナスは最大どのくらいまで出る?

キャラクリエイトのボーナスが低い場合、やり直しをすると稀に高ボーナスが出ることがある。
自分が確認したのは最大ボーナス29。

ウィザードリィってどういうパーティーがお奨めなの?

シナリオにもよるが、セオリーとしては前列を戦士職(戦士・侍・ロード)で固め、後列に盗賊や魔法職(魔法使い・ビショップ)を置く。
僧侶、忍者は前衛と後衛どちらに置いてもいい。

例1)
前列:戦士・戦士・戦士
後列:僧侶・盗賊・魔法使い

例2)
前列:戦士・侍・僧侶
後列:忍者・魔法使い・魔法使い

序盤のハウツーを教えてほしい

以下の記事が参考になる。

こちらの動画も、序盤のやり方が分かり易くまとめてあるのでお奨めです。

【wizardry外伝~五つの試練~】wizをやったことがないって人向けのチュートリアル動画!!【ゆっくり解説】

性格が善と悪が混在したパーティーで合流したい

性格が善と悪のキャラクターは酒場で同一パーティーに入れないため、迷宮に入って合流する必要がある。
酒場で性格が善と中立のキャラクターをパーティーに入れて迷宮に入る。
ESCキーでパーティーの変更(または冒険の再開)を押す。(パーティーが切り替わる。)
酒場で性格が悪のキャラクターをパーティーに入れて迷宮に入る。
最初のパーティーがいる座標まで移動しMキーを押して「仲間を探す」を選ぶ。
座標が合っていれば「仲間に入れる」メニューが表示されるので、仲間を選んでパーティーに入れる。

マッピングが面倒くさい

自分がやっているやり方は以下。最小限の手間で自作の地図が作れる。
1.魔法使い呪文のウィザードアイで地図を表示
2.プリントスクリーンで画面を撮影し、ペイントなどに貼り付け
3.Snipping Tool (画像切り抜きツール)で地図部分だけを切り抜く(ペイントの切り抜きでも可)
4.切り抜いた部分をコピー(編集>コピー)してExcelに貼り付け
5.地図を貼った横のセルに階段やイベントの座標とイベント内容を記入する

公式シナリオプレイしたけど難易度が高すぎない?

公式シナリオは難易度高めのようです。特に「旅人の財産」は、初期シナリオに関わらず比較的難易度が高いため、初見の人は避けた方が無難かもしれない。
旅人の財産の内容についてはGame*Sparkの記事が参考になる。

その他の評価点

高評価の項目 低評価の項目
  • 版権問題を乗り越えてSteam版で発売された事の意義は大きく、評価に価する。
  • シンプルにしてハードコアなPC版の内容を移植。
  • Steam版を出すにあたりワイドスクリーンや高解像度に対応した。
  • PC版で作成されたユーザーシナリオ約110本が、Steam版に自動コンバートされている。
  • UIモードが4タイプあり切り替え可能。(HD TYPE:A/HD TYPE:B/3:2 MODE/SD MODE)
  • ダンジョンは通常グラフィックとワイヤーフレームで切り替えが可能。
  • ゲームパッドに対応。
  • 末弥純氏による独特のモンスターデザインは必見。
  • ポートレイト(フェイスアイコン)でキャラグラフィックの変更が可能。カスタムポートレイトを作成して導入も可能。
  • 高速移動と高速戦闘を完備。(オプション初期で高速移動になっている。戦闘中左キーを押し続けると高速戦闘になる。)
  • 2千円台の低価格で公式シナリオが五本付属。更にユーザーシナリオも遊べる。このソフト一本で幾らでも遊べるため、非常にコストパフォーマンスが高い。
  • ソフトリセットありで初心者にも優しい(?)仕様。
  • アップデートで少しずつだがプレイアビリティが向上している。ローンチ直後は、回復呪文をかけた位置が都度初期化されたが、アップデート後は回復したキャラの位置をUIが記憶し、繰り返しの回復でも一々カーソルを動かさなくて済む等の変更があった。
  • PC版の仕様に敢えて手を入れていないためか、プレイアビリティは全体的に低く、UIが使い辛い。
  • 町で「キャラクタを調べる」のメニューがある店とない店がある。
  • アイテムがスタック状態のまま扱われ任意の数で分配できない。例えばキャラAが毒消しを3個買い、キャラBとCとDに毒消しを1つずつ分配する、といった操作が出来ない。(他のキャラに毒消しを3個渡すことは出来る。)
  • バグフィックスやアップデートは迅速だが、ゲームの挙動にバグが多いのが気になる。(発売直後に比べ、かなり安定してきている。)
  • このゲームに限らずオートバトルがないゲーム全てに言えるが、雑魚戦といえど戦闘の度に毎ターンコマンドを選択して戦闘する必要があるので、戦闘が面倒。特にエンカウント回数が多いゲームほど顕著。高速戦闘で手間を軽減してくれてはいる。
  • レベルアップ時にHPが異常なほど上がり難い。大半はレベルアップ時にHPが最低の1しか上昇しない。ゲーム後半では敵のブレスや全体魔法で削られるためHPは死活問題になるが、普通にプレイしているとHPが低いキャラばかりになる。レベルアップ時に、本当に生命力のステータスがHPの上昇に考慮されているのか。またはバグのデグレで計算式がおかしくなってしまったのか。仕様なのかデグレなのかユーザーには分からないのが悩ましい。
  • Steam実績が表示されない。(ストーリークリアくらいは実績表示があっても良かった。)
  • 戦歴やアイテム収集率等のスタッツが表示されない。

シナリオ「旅人の財産」クリア時スタッツ

旅人の財産ストーリークリア時のパーティースタッツを掲載します。
※ネタバレを避けたい方は以後の参照を注意下さい。

コンセプト

初期パーティー構成
戦・戦・僧・盗・魔・魔

クリアパーティー構成
侍・ロ・僧・忍・魔・魔

ゲーム開始後、キャラを作成。全員高ボーナスが出るまでキャラクリエイトマラソンを行う。
特に生命力は蘇生の成功率に関係するため、各キャラとも多めに生命力を割り振っておく。

職業はセオリーに倣い戦士数人、僧侶と盗賊と魔法使いは一人以上。
特に盗賊が重要。このゲームでは蘇生費用が高額のため、常に金策が必要になり盗賊が必須。
盗賊がいないと宝箱の罠調査や罠解除が覚束ない。

また、鑑定用にビショップを作っておく。ビショップはレベルが上がり辛いため、経験稼ぎが楽に出来るようになる中盤から後半にかけて育てた方がいいだろう。

序盤は死にまくり、特に高ボーナスキャラが1階で死んで寺院の蘇生が失敗してロストした時は辞めようと思った。
1Fが一番死にまくるため、入り口近くの玄室で戦闘しては出てを繰り返す。
1Fを安定させるには、少なくとも3レベル以上が必要で、HPは20から30以上が欲しい。
ACは前衛メンバーが3以下にすれば早々死ぬ事はなくなる。

中盤で人間戦士を侍に転職、ノーム盗賊を忍者に転職。
侍にしたからといって火力がそこまで増えるわけではないが、呪文の「マジックスクリーン」(ブレスや全体攻撃呪文を軽減する)要員が一人増えるのは大きい。
忍者は盗賊よりは火力があるが罠解除等の成功率が落ちるため、無理して転職はしなくていいかもしれない。

終盤にドワーフ戦士をロードに転職。
ロードは非常に強く全体回復の「ヒールパーティー」も必須だが、呪文抵抗を減らす「ブレイクスクリーン」も大きい。
ブレイクスクリーンをかけないと敵の呪文抵抗が高く、必殺の「ニュークリアブラスト」(全体攻撃呪文)でも中々削り切れない。

僧侶と魔法使い二人は、呪文回数と火力を重視して転職せず。
戦闘では魔法使いが主力で、「ニュークリアブラスト」を打ちまくる砲台と化していた。
終盤の隊列は、前列がロード・僧侶・侍、後列が忍者・魔法使い・魔法使いとした。

一番きつかった階層はネタバレは避けるが「○○○○○一家」のいる階層が最も苦労した。
迷宮全体でもこの階層の難易度は尋常ではない。これはプレイしている人には分かると思う。
終盤の謎解きについては、ヒントがゲーム中にあるものの、検索した方が早いかもしれない。
(一応ヒントを記すと「○○○○○○」が必要になる。)

序盤はともかく、後半はレベルドレインや首切りで一撃死が頻発するので、ソフトリセットを多用した。
自分はリセットでのやり直しに抵抗はないが、リセットに抵抗がある人にはこのゲームは辛いかもしれない。
後は、評価にも書いているが、とにかくレベルアップでHPが増えない。
必然的にソフトリセットでやり直しの回数が増える。

クリア時間は63.6時間だったが、かなりの回数をソフトリセットでやり直している時間があった。
こればかりはどうにかならなかったのかと思う。

レベルアップでHPが1しか上がらずリセット。何度この画面を見たことか。

キャラクタースタッツ

侍/人間/男

ロード/ドワーフ/男

忍者/ノーム/男

僧侶/人間/女

魔法使い/人間/女

魔法使い/人間/女

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