ゲームレビュー DARK SOULS Ⅲ(ダークソウル3)「シリーズ有終を飾るダークファンタジーの傑作」【PS4】

ゲームレビュー DARK SOULS Ⅲ(ダークソウル3)「シリーズ有終を飾るダークファンタジーの傑作」【PS4】

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レビュースコア

DARK SOULSⅢ 88点(/100点)

総評


「ダークソウル」としては3作目(「デモンズソウル」を入れると4作目)となるが、ソウルシリーズとしてはこれが最期と宣言されている。
最期となるのは非常に惜しいが、シリーズファンにも納得がいく傑作ダークファンタジーだ。

ソウルシリーズは個人的にはスピンオフのブラッドボーンが初プレイだったため、ダークソウルとしては初プレイとなった。
そのせいか最初はブラッドボーンと比較してしまい、初見はもっさりの盾チクゲームとインプレは低かった。
だがやり込むうち立ち回りを覚えれば覚えるほど、面白さが見えてきた。

初見ではただ辛いだけだったプレイが、今は敵の只中を泳ぐように立ち回れるようになっている。
「ブラッドボーン」もそうだったが、プレイヤーの操作スキルの向上で面白さが飛躍的に向上する、稀有なゲームといっていい。

特にダークソウル3はただ剣戟する以外にも呪術や魔術などの立ち回り方法が豊富に用意されているので、思いつく限りどのようなプレイ方法も許容される懐の深いゲームだ。
まずもって武器をぶつけ合うだけでも、相当な種類の武器(弓含む)や盾が用意されている。例えば直ぐに思いつくだけでもこのようなプレイ方法がある。

  • 片手直剣とパリィ盾で近接戦を軸にバクスタ、スレスタを適宜狙っていくオーソドックスなプレイ
  • 戦技の「我慢」をけん制に使いながら両手武器をブンブン振り回していくプレイ
  • 離れたらアヴァリンで削り近付かれる前にリーチの長い物干し竿で迎撃するヒットアンドアウェイ
  • 魔術の「見えない体」と「致死の水銀」で全く敵に気付かれることなくボス敵を倒す

正にダークソウル3のプレイ方法はアイデア次第で無数に存在し、プレイヤーが思いつく数だけ立ち回り方法が存在する。
ブラッドボーンがダークソウルをスピードアップし、仕様を削ぎ落としシンプルな形にしたものであれば、本流のダークソウルは大量の武器やアイテムを使いこなしながら、自分なりの戦い方を試行錯誤していくゲームと言えるだろう。

しかも、ただの剣戟アクションではない所がダークソウル3の凄い所だ。
シリーズお馴染みの火防女を始めホークウッド、ロンドールのユリア、薄暮の国のシーリス、薬指のレオナールなど、秘密を抱えている人物たちが祭祀場に集まってくる。

彼らと会話し、条件を満たすことで明かされていく秘密とそれを紐解いて垣間見える世界の探求。
NPCとの関わりこそが、ダークソウル3のもう一つの軸であろう。
彼らと関わり合うことによって、その豊穣な世界観も感じ取れるのである。

その他の評価点

[good]

  • シリーズ集大成としてこれまでの要素を盛り込んだ有終の美を飾る内容。
  • 片手剣と盾、両手武器、弓やボウガン、魔術、呪術、奇跡、それらのハイブリッドなどキャラクタービルドのバリエーションが凄まじく広い。
  • 攻撃、ガード、回避(ローリング)と各種行動のスタミナ減少から、戦闘に駆け引きが存在している点、また近接戦闘の立ち回りの選択肢が非常に多く、武器戦闘のアクションゲームとしては、最高峰のゲーム。
  • ガン盾、パリィ、バッシュと盾ゲーマニアには垂涎の仕様。更に武器でもガード可能。
  • 修正は対応が早く強武器などはすぐにnerfされる。
  • 誓約をエンドコンテンツに組み込んだ上手さ。本来面倒だと思われる野良での白共闘も誓約アイテム入手のためにプレイするモチベーションを喚起させる。
  • DLCで世界観を拡張。
  • 対人に関して侵入のフレーバーだけでなく元々バランスがいい(PvPとして成立する)と言われていたが、有志がサリヴァーンエリアでサイン対人する場に限られていた。そこに手が入り、DLCで「不死闘技」として正式に戦う場が提供された。
  • バグやエラー落ちがほとんどなく安定している。
  • どんなにプレイヤー不利のような状況に見えても必ず何かしらの解決策や突破口が用意されている。
  • ただ敵を倒す以外にも、敵を同士討ちさせる、敵の入れない位置から狙撃する、障害物を盾に戦うなど色々な戦術が取れる。
  • ボス戦を繰り返すゲームだけにショートカットルートが必ず用意されている。
  • 周回プレイにある程度意味がある。(3周目まで上位の指輪が周回前と別の場所に落ちる。)
  • 回数制限はあるが、外見の再設定、ステータスの振り直しが出来る。
  • オンラインで協力がし易く、残り火を使ってサインを書き、相手が拾えば直ぐにCoop出来るという敷居の低さ。(啓蒙を消費して鐘を鳴らし同期の鐘を鳴らすというブラッドボーンのCoopよりはシンプル。)

[bad]

  • ゲームエリアとしてはさほど広くなくステージ攻略としては物足りない。(侵入を考えるとそのままPvPステージ(ホストvs侵入)となるためかなり広いとも言えるが。)
  • 2016年11月現在、侵入が機能しているとはいい難く、侵入してもホストが白・太陽サインを拾って3、4人で出待ちしていることが大半になっている印象がある。
  • プレイ人口が減ると達成が難しい誓約がある。
  • 武器は直剣、大剣、特大剣と様々にあるが、基本的にはカテゴリ毎にモーションが同じであり、武器数ほどのバリエーションはない。
  • やはりこの手のゲームの宿命で強武器と死に武器がはっきり出てしまう。
  • 回避手段としてローリングが強過ぎる。
  • NPCのイベント管理が難しくノーヒントではまず辿り着けないルートもある。
  • 装備の重量制限が厳しく、70%以下を維持する必要があるが、最もユーザーの多いSL120帯ではかなりの装備制限がかかるため、ほとんどの重装鎧を着けることが出来ない。
  • 操作設定をジャンプなど一部を除きほとんど変えられない。ほとんど使わないジェスチャーがタッチパッドに割り当てられていて押し間違いしてしまうことがある。(タッチパッド左がジェスチャー、右がメニューのため)ジェスチャーを押し間違いしないボタンに変更したいが出来ない。

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