ゲームレビュー エイリアン・アイソレーション「折角のエイリアンが単なる素早いクリーチャーとしての扱いは寂しい」【PS4】

ゲームレビュー エイリアン・アイソレーション「折角のエイリアンが単なる素早いクリーチャーとしての扱いは寂しい」【PS4】

ALIEN ISOLATION -エイリアン アイソレーション-のキャンペーンをクリアしたのでゲームレビューを上げる。

ALIEN ISOLATION -エイリアン アイソレーション- 【CEROレーティング「Z」】
セガゲームス (2015-06-11)
売り上げランキング: 4,777

SPONSORED LINK

レビュースコア

【PS4】ALIEN ISOLATION -エイリアン アイソレーション- 50点(/100点)

総評

『エイリアン アイソレーション』は映画『エイリアン』を題材としたゲームで、映画ではシガニー・ウィーバーが演じたエレン・リプリーの娘のアマンダ・リプリーがゲームの主人公となる。

アマンダ・リプリー

当然、ゲームを買う人は映画を見てエイリアンの世界を体感したいという人が多くを占めるだろうが、『エイリアン アイソレーション』は終始単調なゲームだ。

ストーリーの先へ進むには、船内に仕掛けてある数多くのつまらないQTEをクリアしなければならない。
ルートを確保した後は、ひたすらゾンビアタックして、運が良ければエイリアンを撒いて次のステージへいけるという感じの進行だ。

船内の様子

このゲームについて一番の不満は、折角のエイリアンタイトルにも関わらず、肝心のエイリアンが怖くない点だ。エイリアンが「一クリーチャー」としての扱いしか受けておらず、ゲームが「探知能力が高く足が速いモンスターとの鬼ごっこ」の域を出ていない。
エイリアンとしての世界観の不気味さ、グロテスクさが余りにも薄い。
むしろ暴走したアンドロイドのワーキングジョーの方が相当怖い。

そういう意味では残念ながらこのゲームは失敗作だろう。Wikipediaによるとこのゲームは”PC Gamer主催の「ゲーム・オブ・ザ・イヤー2014」や、英国アカデミー賞の「BAFTA ゲームアワード 2015」のオーディオ賞などを受賞し、販売本数は211万本を達成した。”(出展:エイリアン アイソレーション – Wikipedia)とあるが、信じられなかった。
ゲームアワードという物ほど当てにならないものはない。

その他の評価点

Good Bad
  • 敵対者、アンドロイド、エイリアンなどの脅威に対して、対抗する手段がそれぞれ違っており、頭を使い情報を集め、ある程度運もないとルートを確保できない。
  • ステーション内や船内は広いが、セーブポイントが適所にありストレスを感じない程度の配置になっている。
  • 武器がなくてもロッカーに逃げ込んで敵が去るのを待つ、ダクトに逃げ込む、敵の視線をかいくぐり見つからないように息を潜むなどのスニーキング的な動きも可能。
  • ステーション外に出たときの宇宙の美しさは『ゼロ・グラビティ』を髣髴とさせる。
  • 音楽は環境音が主体でシーンによってBGMが散発的に使われるなど意識されている。
  • ステーション内のガジェットや小物(端末やポスターなど)がよく出来ている。
  • エイリアンの造形が物足りない。もっと映画の中のエイリアンはおどろおどろしくグロテスクな感じだったが、やはりゲームなので仕方はないが、エイリアンっぽいモデリングのクリーチャーという感じで余り怖くはなかった。
  • 同様に体内からエイリアンの幼体が出てくるといったショッキングなシチュエーションはない。あくまでエイリアンという成体のモンスターが登場するだけ。
  • カットが主観シーンしかなく単調。もっとバイオハザードのように色々な視点のカメラで映像を工夫するべきだった。
  • シーンはステーションや船内と移り変わるが、どれもやることが同じ。エイリアンやワーキングジョーといった”鬼”はいるが、単調な展開。大抵、扉に電源が通ってない⇒鬼に遭遇しないように移動⇒端末にアクセス⇒パスワードの書かれたログにアクセス⇒パスワードロックの扉解除⇒デバイスにアクセスして電源オン⇒扉に電源が入って先に進むなど。
  • 器物が浮いているバグが多発。
  • フラグで怪しいところがある。
  • 意図しない操作が稀に起こる。何も押していないのに持っている近接武器かレンチを振り回す動作など。
  • アクセス・チューナーの図形合わせ、電源ボタンを何回も押す、イオントーチで扉を溶融するなどつまらないQTEが多い。

ゲームレビューカテゴリの最新記事