ゲームレビュー デイズゴーン(Days Gone)「フリーカーの大群を倒しまくる微妙なバイクオープンワールドゲーム」【PS4】

ゲームレビュー デイズゴーン(Days Gone)「フリーカーの大群を倒しまくる微妙なバイクオープンワールドゲーム」【PS4】

PS4版『Days Gone(デイズゴーン)』をストーリークリアしたので、総評とレビュースコアを掲載する。

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レビュースコア

Days Gone(デイズゴーン)

60点(/100点)

それなりには遊べストーリーは面白いと思うが、良ゲームというほどの内容はなく平均的なゲームインプレッションに終始する。フルプライスで買うゲームとしては高い印象。

総評

E3 2016の衝撃的なトレイラーPV公開から全世界の注目を集めてきた作品。
発売時も凄く話題になった分、期待値がかなり高かったが、ふたを開けてみると普通のオープンワールドゲームで、期待値には遠く届かなかった。

1000万回以上再生されたE3 2016のデモ版 実際のゲームはここからかなり要素がそぎ落とされたように感じる

ゲーム内容としては、パンデミック後の崩壊した世界でバイクを駆り、亡き妻に思いを馳せながら、フリーカー(ゾンビ)を倒す男ディーコン・セントジョンの物語。
PVを見ると、大量のゾンビとドンパチするゲームと思えるが、それが可能なのはゲームの終盤である。
前半はステルスゲー、後半は強力な重火器を使ってのドンパチとゲームの序盤と後半では様相が異なるのが面白い。
オープンワールドをふらふらしながらキャンプから依頼されるクエストを淡々と消化するのも悪くないが、ストーリーを追うのが最も楽しい。
ストーリーはよく言えば連続海外ドラマ風で、次から次に起こるジェットコースター的な展開が楽しめる。
次の展開が待ちきれなくてストーリーをつい進めてしまう、という人も多いだろう。
悪く言えば、細かい事には余り拘らず、見ている人を楽しませることに重きを置いた内容となっている。

なぜ、このゲームがそこそこの内容で終わってしまったのかについては、プレイした人によって意見はあると思うが、自分の印象としては、2点あると思う。

1点目は、パンデミックが起きた世界で、主人公たちが感染や感染者を恐れていないということ。
必然的に『The Last of Us(ラスアス)』のような緊張感あるドラマが生まれない。
ラスアスは感染者によるパンデミックでいつ自分や仲間が感染するかという恐怖があり、これがドラマ性を生み出していた。
Days Goneでは登場人物たちは感染を特に恐れたりはしていない。
フリーカーはそこら中にあふれているが、それはどちらかというと集団のゾンビに襲われて物理的に死ぬ事への恐怖である。(そもそも、主人公たちは死ぬ事にすら恐怖を抱いていないように思える。)
よって、主人公たちは、感染に対して抗体があるから(生き残っている)という理由付けになるのだが、生存者に全員抗体がある世界で、ゾンビやパンデミックのゲームにあえてする必要があったのかという疑問があった。

2点目としてDays Goneではバイクがシステム上でもストーリー上でも重要なアイテムなのだが、ゲーム内で「バイクに対する扱い」がそっけない点だ。
主人公たちはパンデミック発生前は同じ地元のバイクチームの一員で、バイクに対して並々ならぬ思い入れがあるのだが、ゲームとしてはシステム的にバイクへの比重が薄く、荒廃した世界での単なる移動手段になっている。
バイクへのカスタムはその時買える最強パーツを付けていく程度でバイカーをテーマにした拘りというものが全く感じられない。
バイクでマップ間を移動するのだが、ガソリンの補充が必要になる。
ガソリンスタンドやポリタンクなどどこにでもガソリンが落ちているので、システム的な利便性としては有り難いが、ガソリンを巡る勢力間同士の諍いや物資(ガソリン)目当てに拠点を襲ってくる夜盗の撃退といった要素がスポイルされてしまう。
結局Days Goneでは製作者がパンデミック後の崩壊した世界や生き残った者たちの血みどろの争いを描きたかったのか、バイカーたちの絆の物語を描きたかったのかがはっきりせず、結果として中途半端になったためクリア後も微妙な印象を受けるゲームになってしまった。

他には、後発タイトルとしての難しさも当然あっただろう。
Days Goneはポストアポカリプスの名作『The Last of Us』に似たゲームをプレイしたいという思いで期待した人も多かったと思う。(筆者もその一人だ。)
先日『The Last of Us』の続編『The Last of Us Part II』の発売日が発表されたが、『The Last of Us』への期待値が高い分そこに類似した世界観の『Days Gone』のタイトルが発表され、期待値が必要以上に高まってしまった面もあったのかもしれない。
これは似た世界観やテーマを選んだ後発タイトルの宿命なので、そこを乗り越えていくしかないのだが、結局多くの類似タイトルに埋もれてしまった格好だ。

その他の評価点

Good Bad
  • 海外ドラマ的なストーリーの面白さ。
  • 武器の種類が多い。
  • ステルスキル、派手な銃撃戦の両方が可能。
  • 野盗、フリーカー、獣が3つ巴で戦ってくれるので同士討ちさせるのが楽しい。
  • フリーカーの大群を殲滅させる面白さ。
  • 雨、雪など天候が変わる。
  • バイクのカスタムは最強部品に換装していくだけなので味気ない。
  • 後半のストーリー展開が大味。
  • バグが非常に多い。処理落ちも多い。
  • ボタンの配置やUIが良くないが、コントローラーの設定を変えることは出来ない。
  • ロストレイクキャンプ以外のイベントが少ない。
  • バイクで走っている時などに、サブクエストマーク(?)が表示されるが、消えるのが早いため、その場所で何があるのか、どのあたりにあるのか、分からない事が多い。後半はほぼ素通りされる結果に。

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