ブリザード・エンターテイメント社のアクションRPG『ディアブロⅡリザレクテッド(Diablo® II: Resurrected™)』(PS4版)総評とレビュースコアを掲載します。
※購入価格はPlayStation®StoreでのDL購入(5,280円)。
PS4ストア『ディアブロ II リザレクテッド』
※本ソフトは、パッケージ版は発売はなく、デジタル(DL)版のみで発売。(2021年時点)
※オフラインシングルプレイのみの評価。オンライン共闘・対人戦に関しては未プレイのため割愛。
※4章まで進行時点でのレビュー。現状サーバー負荷によるデータ巻き戻りがあるため、プレイを継続する事を断念。
『ディアブロIIリザレクテッド』アナウンストレーラー
レビュースコア
ゲームタイトル | スコア | ランク | 評価観点 |
---|---|---|---|
ディアブロⅡリザレクテッド |
6/10 | C |
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[寸評] 2022年以降に発売が予定されている新作RPG『ディアブロⅣ』を前に、2000年に発売されたハクスラアクション『ディアブロⅡ』のリマスターで話題作りを試みた開発会社ブリザード・エンターテイメント社(以下ブリザード社)だったが、サーバー負荷によるデータ巻き戻りを始め不具合が多数起きてしまう結果に。 シングルプレイでもネットワーク接続が必須でバトルネット(ブリザード社の運営するゲーム管理サービス)側にアカウントがないとプレイすら出来ないという新規ユーザーにとっては敷居が高い作りになっている。 ディアブロⅡのオリジナル版からプレイアビリティ上問題のある仕様もそのまま移植されており、2021年にプレイするゲームとしては厳しい印象。 ディアブロⅡリザレクテッドについては、オリジナルをプレイしたユーザーが懐かしむ分にはいいと思うが、新規ユーザーが無理にプレイする必要はないゲームだ。 2022/6/6変更履歴 評価観点の記載を新形式に変更。 |
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レビュースコアの採点方法については以下リンクを参照。
総評
2000年発売の伝説のハクスラアクションRPG『ディアブロⅡ』。当時はMMORPGと言えば『ウルティマ オンライン』(Ultima Online)、MORPGと言えば『ディアブロⅡ』という時代だった。
皆なPCをネットに繋げてウルティマを、ディアブロⅡを、或いはEVER QUESTを、LINEAGE(リネージュ)をプレイしていた。
その21年後に発売されたリマスター版『ディアブロⅡリザレクテッド』では仕様の一部をそのまま再現し、リマスターゲームエンジンは当時のものを使いレンダリングだけ変更するなど、旧ユーザーと新規ユーザー双方に配慮する形で開発された。
特に3Dレンダリングは大幅に追加されており、環境音も新しく加えられた。
また、拡張パック『Lord of Destruction』を追加するかどうか選べるほか、ディアブロⅢで好評だった共有倉庫の要素も追加されている。
当時プレイしたユーザーを中心に大きく期待を集めたディアブロⅡリザレクテッドだったが、蓋を開けてみるとリリース直後からデータベース負荷を起因とすると思われるキャラ消失やログイン不安定、データ巻き戻りなどが発生。
シングル(オフライン)だけプレイしたいユーザーをも強制オンライン接続にさせる仕様の弊害が、悪い形で出た。
パッチを当てるなど適宜対応したが、購入を考えているユーザーや、プレイ中のユーザーに不安を招く結果になった。進行状況の巻き戻りがあるゲームを好き好んでプレイするユーザーはいないだろう。
『ディアブロⅢ』や『ウォークラフト』でオンラインゲームの大規模接続にも十分な実績があるはずのブリザード社だが、なぜこのような不具合が起きてしまったのか。
勿論、コロナ禍での作業という難しさはあるが、それはどの開発会社、どのプロジェクトでも同じ状況だ。
来年以降発売予定の『ディアブロIV』にも、運営会社・ユーザー共に大きな不安を抱える事になった。
ディアブロIVではハラスメント問題でディレクターが退社するなど、ブリザード社内にも混乱が起きているようで今後の開発体制が懸念される。
Microsoftが米大手ゲーム会社アクティビジョン・ブリザード社(Activision Blizzard)を買収することで合意
ディアブロⅡリザレクテッドについては上記のようにやや期待外れの出来となったが、2022年1月18日、大変なニュースが飛び込んできたので、追記しておく。
『コール・オブ・デューティ』『ディアブロ』『ハースストーン』『オーバーウォッチ』等人気シリーズを多数リリースしてきたアクティビジョン・ブリザードだが、マイクロソフト社が約687億ドル(約7兆8742億円)でアクティビジョン・ブリザードを買収することに合意したと発表した。
これにより、アクティビジョン・ブリザード社(ディアブロシリーズを開発する子会社のブリザード・エンターテイメント社含む)は、今後マイクロソフト社の傘下に入ることとなった。
この買収は、ゲームの歴史上で過去最大の買収額と言われている。
なおこの件で、ライバル企業のソニーGの時価総額が2兆2千億円以上下落したと報じられた。(2022年1月19日追記)
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個人的感想
サーバー不具合による問題は別として、リザレクテッドの個人的なプレイ感想を書いていく。
自分はソーサラー(魔術士)でプレイしているが、適度に敵を避けつつライトニング等の攻撃呪文をバンバン打って敵をなぎ倒していくのは確かに面白い。
が、ポーションがなくなりタウンポータルを出して街に頻繁に戻る必要がある事や、サッシュ(ベルト装備アイテム)にポーションをセットするのは面倒だ。
インベントリも狭く、共有倉庫も直ぐに一杯になってしまい、プレイ中これらのストレスはある。
ただ、ゲームが嫌になって止めてしまう程のストレスではない。
どちらかというと、ストレスを上回る熱量をゲームに感じないのが問題だ。
『ディアブロⅢ』及び拡張パック『RoS(Diablo III: Reaper of Souls)』が出た2012年から2014年当時は、何も考えずただひたすらプレイしていた。
バーバリアンをプレイし、ウィザードをプレイし、デーモンハンターをプレイし、モンクをプレイし、クルセイダーをプレイした。
トータルで1000時間はプレイしたと思う。もしかしたらそれ以上かもしれない。
ハードコア(難易度ハードコア……キャラクターが死ぬと生き返ることなく墓場行きになる。装備品も全て喪われる超高難易度モード)のPL205デーモンハンターが死んでも、新キャラを作ってプレイし続けた。
手塩に掛けて大切に育ててきたPL255ウィザードがPCの不慮のリセット中に死亡し、死ぬ気で集めたセット装備が全て喪われて始めてプレイ意欲が削がれた自分がだ。
つまらない訳ではないが、自分の嗜好がリザレクテッドでは満足できないほど色々なゲームを経験してしまったからか。
ディアブロⅡリザレクテッドとディアブロⅢ RoSはゲーム性が違うので単純比較は出来ないが、明らかにディアブロⅢ RoSの方が面白かった。
トーメント(torment)のPublicリフトに入ってMPKがモンスターのトレインを引っ張ってきて慌てて脱出したり、外国人が英語でアイテム交換しようと持ちかけてきたり、偶然共闘したウィッチドクターと二人でボス戦をギリギリで生き残り互いの健闘を称えたりと、ディアブロⅢでは毎回何が起こるか分からなかった。
ディアブロⅢはオンラインでプレイしていたため毎回動的な変化があったが、ディアブロⅡリザレクテッドはオフラインのため、驚きがないのもあるかもしれない。
が、オンラインでプレイしようという意欲も余り起こらない。
また、ディアブロⅡ単体で比較しても、2000年のオリジナルバージョンでは描画が粗い分独特の不気味さや味のような物が出ていたが、リザレクテッドバージョンでは生強(なまじ)い画面が綺麗になった分、普通のゲームに近くなったような気がして独特の怖さがなくなった印象だった。
ピクセルが少ない事による描画の粗さはそのままにし、インベントリの拡張やポーションのワンボタンセット等、プレイアビリティだけを高めて欲しかった。
結局、リマスター化に当たり、ブリザード社がメディアやユーザーにアピールしたい内容と、実際にプレイするユーザーの望む事が乖離しており、それが今回のリザレクテッドの不具合も結果的に招いてしまったように思う。
その他の評価点
高評価の項目 | 低評価の項目 |
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