ニンテンドー3DSの「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」(以下ドラクエ11)のストーリーをクリアしたのでインプレなしですが総評とレビュースコアを掲載します。
(以下の内容は全て3DS版「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」に関する評価です。ネタバレがありそうな部分については注意書きをしています。)
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レビュースコア
ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて(3DS版)
75点(/100点)
総評
スクウェア・エニックスのミッションとしては老若男女誰でも楽しめる国民的ブランドゲーム「ドラクエの最新作」を提供すること。
その意味ではゲーム会社としての使命は十分成功していると言える。
難易度の高くない戦闘、馴染み深いUI、プレイヤーフレンドリーなシステム、世界を救うという宿命の主人公のロールプレイ。
主人公を支える一風変わった仲間たち。会話の節々に感じられる「堀井節」。
反面、一つのゲームとして見た場合は、チャレンジングなものは少なく、ゲーム慣れしている人には歯ごたえが少なく全体を通じてやや物足りないゲームとなっている感触は否めない。(その免罪符として「しばりぷれい」が最初からシステムとして用意されている。)
しかし、間違いなく時代を代表するゲームであり、ゲーム好きの人も、たまにしかゲームをしない人も、一度はプレイしておきたい。そんな風に思わせる類まれなゲームだ。
3DS版とPS4版どちらを購入すべきか
ドラクエ11には2017年9月時点でPS4版と3DS版の二つのハードでソフトが発売されているが、両方ハードがある人はどちらを購入するか悩むかもしれない。
勿論、ファンなのでPS4版と3DS版両方を買うという人もいると思うが、ここでは、二つのハードのうちどちらを購入すべきかについて、個人的な意見を記しておく。
結論から書くが、個人的にはドラクエ11はPS4版を購入したほうがいいと思う。
理由は、やはり画面が大きくムービーが綺麗なことだ。
3DS版の利点としては、2D/3Dの切り替えが出来る、PS4版に比べてロード時間が短い、出先で持ち運びしてプレイ出来る、探索範囲が狭い(狭い分プレイ時間が短いが人によっては欠点となるかもしれない)、素材の落ちている場所が分かりやすい、頭身が小さいので鳥山キャラに違和感がない(PS4版は鳥山キャラにリアル頭身なので若干違和感がある)、時渡りの迷宮がプレイ出来ることなどが挙げられる。
逆に3DS版の欠点としては、画面が小さく手で本体ごと持ってプレイするため長時間のプレイが疲れること、大画面ディスプレイにHDMIで接続出来ないこと、ムービーシーンがリアルではないことなど。
本体に関する欠点は仕方がないとして、このうち3DS版のムービーの「チープさ」がどうしても気になった。
3DS版のムービーは、シーンによって3DS版のものとPS4版のものが混在していて、PS4版の美麗なムービーに対してどうしても3DS版は劣ってしまう。
そのため、最初から綺麗なムービーシーンでプレイできるPS4版を購入しておけば良かったと思ったためだ。
今からドラクエ11の購入を検討している人には、PS4版を購入することをお奨めとしたい。
なお、筆者は3DS版ドラクエ11をニンテンドーeショップでダウンロード版を購入したが、光回線でダウンロードして問題なくプレイ出来ている。
その他の評価点
[good]
- ドラクエブランド。堀井雄二節の台詞回し、鳥山明のキャラクター、すぎやまこういち作のBGMでRPGがプレイ出来る楽しさ。
- 従来のドラゴンクエストのUI(ユーザーインタフェース)とプレイイメージを崩さず、シンボルエンカウンター、TPSでマップを直接移動する形式、スキルパネルでの成長コントロール、乗り物と地形のギミック、ふしぎな鍛冶といった新規要素を組み合わせ、絶妙のシステムバランスとプレイアビリティを構築。
- 3DS版でもモデリングはしっかりしており、3Dの世界を動き回れたり、キャラクターたちが細かい機微や動作をする。
- 3DS版では2Dと3Dが切り替え可能。
- 主人公が喋らない(喋る台詞自体がないこと。ボイスのことではない。)ので、ある意味感情移入はし易い。
- 丁寧に描写されるストーリーテリングが秀逸で仲間のキャラクターが今気になっている心情を吐露するシーンでは世界に引き込まれる。台詞は状況が少しでも変わると仲間を初め一般人の台詞でも変化する。裏で動いている台詞に関するフラグは膨大な数が存在すると思われる。3DSというハードでここまで物語を丁寧に描写出来ることは驚きと言える。
- コンティニューすると「あらすじ」が表示されるので前回まで何をしていたかが分かり易い。
- セーブ枠が3つある。(3DSのゲームとしては多い。)
- 難易度設定はないが、システム側で「しばりぷれい」の設定が用意されていて様々な高難度プレイを楽しめる。
- スキルツリー(スキルパネル)、キャラクター同士の必殺技(れんけい)、製作(ふしぎな鍛冶)など今のゲームのスタンダードを世界観を壊さない程度に取り入れている。特にドラクエ11の鍛冶のシステムは独創的で、単純ながら奥が深い。システムが複雑にならない程度にプレイヤーに試行錯誤を要求する内容となっており、小さなアイテムや単純なアイテムは鍛冶がやりやすく、作りが複雑なものは製造工程が難しくなっている。
- バグや誤字がなく動作が安定している。
- オート戦闘でもAI側で過不足なくスキルや回復を使うため戦闘が楽。
- 地形に対応した乗り物や上下構造、ギミックのあるダンジョンは工夫がある。
- ステータスに成長要素はないものの、スキルの方向性をどのように伸ばすか、使用する武器、れんけいの組み合わせがあるため試行錯誤が楽しめる。
[bad]
- 選択肢がある場面でも選択に意味がなくストーリーで用意されている分岐にしか進めない。
- 機能やシステムなどについてNPCから説明されるが、メタ的な発言も多く興醒めし易い。
- キャラクターボイスがない。
- ジャンプに意味がない。(ストーリークリア時点ではジャンプ機能に全く意味がないと感じたが、自分の知らないジャンプに関する仕様がある可能性はあります。)
- 一部の戦闘を除き基本的には難易度が低い。国民的ゲームで老若男女誰もが楽しめるゲームバランスを要求されるため仕方がないが……。Mobと比べてキャラクターが非常に強いため死ぬことがほとんどなく、死んでもリスクなく確実に復活出来るため死の意味が薄い。バトルメンバー以外の待機メンバーも含めて生き残れば全滅はないため、装備やスキルを適当に進めていても死ぬことが少ない。そのため難易度が低すぎるという批評を考慮したのか、システム側で「しばりぷれい」が用意されている。
- ムービーの挿入で3DS版では3DSモデリングとPS4モデリングが混在することがあるのでどちらかに統一してもらいたかった。また、ムービー挿入で装備が反映されている時と反映されていない時があるので違和感がある。
- 「れんけい」のムービーは最初は楽しいものの慣れてくると長いためカットしたくなるが、カット設定がなくYボタン長押しの省略しか出来ない。ボタンの受付時間も短いので、結局ムービーを見ることが多くなってしまう。設定で最初からムービーオフの機能を入れてもらいたかった。
- PS4版にある機能(マジックスロット、イベントスキップなど)がない。
- ふしぎな鍛冶がキャンプでしかメニューがない。(どちらかというと街などで鍛冶屋に武具の修繕を頼む方が普通だと思える。)
クリア時データ(ネタバレなど見るのを控えたい人はご注意下さい。)
以下は筆者のクリア時点のデータです。
獲得ゴールド676973G
クリア時点のレベル | LV59 |
クリア時間 | 77時間50分(エンディング後の後日譚は未プレイ。) |
クリアしたクエストの数 | 24 |
戦闘勝利回数 | 1130回 |
倒したモンスターの数 | 2817匹 |
倒したモンスターの種類 | 324種 |
集めたアイテムの種類 | 435種 |
ふしぎな鍛冶をした回数 | 66回 |
獲得した称号の数 | 95こ |
ちいさなメダルの数 | 45枚 |
ツボやタルなどを壊した数 | 333回 |
キャンプした回数 | 67回 |
宿屋に泊まった回数 | 32回 |
れんけいを使用した回数 | 191回 |
メタル系モンスターを倒した数 | 9匹 |
スロットを遊んだ回数 | 20回 |
ポーカーを遊んだ回数 | 27回 |
ルーレットを遊んだ回数 | 1回 |
つかまえたヨッチ族 | 112人 |
手に入れたヨッチ族のぼうし | 1こ |
クリアした時渡りの迷宮 | 1階 |
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