ゲームレビュー Dragon’s Dogma DARK ARISEN(ドラゴンズドグマ:ダークアリズン)「圧倒的なリアリズムと超展開のストーリーで描かれる異端と王道の冒険ファンタジー」【PS4】

ゲームレビュー Dragon’s Dogma DARK ARISEN(ドラゴンズドグマ:ダークアリズン)「圧倒的なリアリズムと超展開のストーリーで描かれる異端と王道の冒険ファンタジー」【PS4】

GAME WEEK SALE 2020でPSStoreダウンロード版を購入してプレイしていたPS4『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン(Dragon’s Dogma DARK ARISEN)』(以下、ダークアリズン)を難易度ハードでストーリークリアしたので、プレイの総評とレビュースコアを掲載する。

ドラゴンズドグマ:ダークアリズン – PS4

SPONSORED LINK

レビュースコア

ゲームタイトル スコア ランク 評価観点
Dragon’s Dogma DARK ARISEN
8/10 A
  • メカニクス(アクション・操作性・戦闘)
    5/10
  • 世界観・ストーリー・登場人物
    8/10
  • グラフィック・モデリング・画面UI
    7/10
  • サウンド・BGM・音響効果
    6/10
  • インプレッション・熱中出来る要素
    7/10
  • クオリティ(バグ・ロード時間 etc)
    7/10
[寸評]
『Dragon’s Dogma DARK ARISEN』は剣と魔法とドラゴンという王道ファンタジーな世界観を、リアルなモデリングで表現したカプコンのオープンワールド・アクションゲーム。2013年4月25日に発売された『Dragon’s Dogma』の拡張パックが『DARK ARISEN』であり、新ダンジョン「黒呪島」エリア追加と新モンスターの追加、CVの追加、キャラクターエディットの拡張等が主な内容となっている他、PS4版は解像度向上も行われている。ストーリーは、寂れた漁村カサディスに住んでいた主人公だが、突如襲来したドラゴンに立ち向かうも心臓を奪われる。蘇った主人公は覚者(かくしゃ)として、奪われた心臓を取り戻しに冒険に旅立つという内容になっている。アクションのリアルさ、フィールドのスケール感、光源(ライティング)等から冒険の雰囲気が良く出ていてゲーム世界に没頭出来る。また、「ポーン(戦徒)」と呼ばれる従者(コンパニオン)キャラをパーティーに雇える点が特徴だろう。ポーンに関しては、ゲームメカニクスに上手く落とし込めず、フレーバーに留まっている点が惜しい所だった。フィールド、ダンジョンとも非常に美しくリアルで、正に世界を渡り歩きながら冒険している感が凄まじい。ストーリー展開は最後まで予測出来ず秀逸。ゲームはPS3版からの移植だが、PS4で一度はプレイすべきゲームだと思う。

2022/8/16変更履歴 評価観点の記載を新形式に変更。

  • ジャンル:オープンワールド/RPG
  • プレイ人数:シングル
  • プラットフォーム:PlayStation 3/Xbox 360/Microsoft Windows/PlayStation 4/Xbox One/Nintendo Switch
  • 発売日:2017年10月5日(PlayStation 4,Xbox One)
  • 開発・販売:カプコン

レビュースコアの採点方法については以下リンクを参照。

総評

PS4/Xbox One/PC『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』プロモーション映像

『Dragon’s Dogma DARK ARISEN』(ドラゴンズドグマ:ダークアリズン)は、『Dragon’s Dogma』の拡張版として2013年にPS3版、XB360版が発売された。
(その後、人気を受けて2017年10月にPS4版/Xbox One版等が発売。2019年4月にNintendo Switch版が発売された。)

拡張要素としては解像度の向上、ハクスラ的なダンジョンの「黒呪島」追加、DLC同梱などとなっている。

ダークアリズンで追加された黒呪島は凶悪なモンスターが出現する高難易度エリアだ




ダークアリズンはPS3版から高い評価を得ていたのは知っていたので、いつか買ってプレイしようと思っていたが、これまでプレイ出来ていなかった。GAME WEEK SALE 2020でPS Storeセール価格が1,990円とかなり安く購入出来たので、ようやくプレイ機会がありクリアまでプレイした。

ダークアリズンのゲームジャンルはオープンワールドアクションRPG。静かな漁村で暮らしていた主人公が、ある日襲撃してきたドラゴンに心臓を奪われて「覚者(かくしゃ)」となる。そこから、奪われた心臓とドラゴンの謎を追って、世界各地を冒険する旅が始まるという導入になっている。

漁村を襲撃し主人公の心臓を奪うドラゴン



「ポーン」と呼ばれる従者NPCと最大4人パーティーを組んで冒険することがゲーム上での大きな特徴で、ポーンには主人公と常に行動を共にするメインポーン一人と、都度入れ替えが可能なサポートポーンが二人お供に付く。
サポートポーンは、リムと呼ばれる大陸各地にある石から対価(リム)を支払って召喚が可能になっている。
ゲームは基本的にソロプレイで進行するが、プレイヤーが不在の間にも他のプレイヤーにメインポーンを召喚してもらい、成長させることが可能な緩いオンライン要素もある。
従者キャラであるポーンとの冒険は最初は楽しいが、ボス戦でポーンが一瞬で死んでその都度助け起こすのは面倒なため、ポーンがいない方が戦闘が進めやすいのではと思うことも多々ある。

従者NPCのポーンを3人連れてパーティーで冒険する

ポーンと対話して発言や態度を変えてもらうことも可能

フィールドやダンジョンに棲息するモンスターの種類は、ゴブリン、リザードマン、アンデッド、ハーピーといったファンタジーではお馴染みのモンスターが登場する。モンスターには棲息地や縄張りのようなエリアがあり、ゴブリンの集落、岩山に巣を持つハーピー、水辺に生息するリザードマンなど各モンスターにはそれぞれ出現地帯が決まっている。
野盗と出くわしたときの台詞も、「ここはあたいらのテリトリーだよ!」と言って襲い掛かってくるなど、敵が棲みついているエリアの概念がある。

ほかのゲームでは余り見かけないが、このゲームの特徴的なのは巨人のサイクロプスが頻繁にボスモンスター級として登場する点だろう。
サイクロプスは怪力で滅茶苦茶に暴れまわるが背中をよじ登って攻撃を加えたりといった他ゲームからすると斬新な攻撃方法が可能だ。
(この点はMORPGの「DDON(ドラゴンズドグマオンライン)」にも引き継がれたが、DDONでは「怒り状態を鎮めるための揺さぶり」というダークアリズンにない要素が追加されたが、不評となった。)

サイクロプスを始め様々なモンスターが行く手を阻む





モンスターの造詣はリアル路線でモンスターによっては部位切断もある。倒した死体はその場に残り時間経過で肉が削げ落ちて骨になるなど、リアルな表現がされている。ゴア表現とまではいかないが残虐描写としては高い部類だろう。
リアルへの傾倒はモデリングにも現れており登場人物や歩いている人たちの顔立ちや雰囲気は中世らしい街並みと合わせてリアル感がある。

ゲーム中に登場する一癖ある人物たち

キャラクターエディット画面

クエスト関連はメイン系のクエストとサブ系のクエストに分かれており、サブクエストでレベルアップをしながらメインクエストに挑むという感じになる。
クエストは街の掲示板などで受領し完了したら発注者に報告して完了という流れになる。
関連NPCの頭上やクエストの場所のマップにマーカーが付くというMMORPGでも有り触れたクエスト受領システムで特筆すべき点はない。

クエスト周りのシステムは普通




ゲームはオープンワールド各地を移動して進行するが、基本は徒歩移動になりファストトラベルは戻りの礎を置いた場所限定となる。フィールドが広いこともありゲーム内で移動している時間の割合は多い。
豊かな景観を横目に見ながら旅気分で移動するのは最初は楽しいが後半はダンジョンと戻りの礎の間を飛行石での移動だけになる。

広大なワールドマップ

後述しているがポーンのAIは頭が悪く、例としては「戦士系ジョブのポーンが目の前の敵に攻撃せず周囲をうろつくだけで何もしない」といった事も頻繁にある。
ポーンには指示コマンドで動きを命令出来るものの、極めて曖昧な指示しか出せないため、戦闘中にポーンを効果的に動かすのはかなり難しい。(偶然有効なスキルを使って戦況が有利に働く事はある。)
(ポーン毎に細かく性格設定があるため効果的に動かない原因は性格による影響は考えられる。)

戦闘はそれほどシステマチックではないが、近接・弓・魔法のどの攻撃スキルを伸ばすかという部分で、ある程度はビルドの試行錯誤が必要になる。
特に難易度によって敵の一撃で全体力を持っていかれることも起こるため、適当に戦っているとストーリーが中々進まないことも。

武器一覧

ステータス

ジョブ

スキル

ここまで挙げた内容ではシステムよりもフレーバーを重視したゲームという印象でさほどインパクトはなかったものの、後半のストーリー展開は予想の遥か上を行っていてずば抜けて面白い。クリア後の余韻を大きく増幅させるものだった。これがスコアを8点に押し上げた要因となった。

ストーリーはあっと驚くような内容



クラフト素材を収集している所

領都で犯罪をして捕まり牢屋に入れられた

その他の評価点

高評価の項目 低評価の項目
  • 中世らしい都市や城砦、そこを行き交う人々の、やや陰鬱な雰囲気。
  • ダークソウルⅡの「マデューラ」に匹敵する景観の美しさ。
  • 洞窟やダンジョンの地形は自然に隆起されたような形状で実際にその世界を歩いているかのようなリアルさやスケール感が感じられる。
  • 街やフィールドが思ったよりも広い。地上のフィールドや地下迷宮(黒呪の島など)等の探索場所が豊富。単に広いだけではなく地形が起伏に富んでいる。
  • 光源や陰影の表現がリアルに感じられる。
  • アクションした時の重力や慣性の表現が真に迫っていてキャラクターを動かしていて楽しい。
  • 昼夜があり夜は住人が帰宅するなど時間経過の概念がある。
  • フィールドで敵のエンカウント頻度が高く油断出来ない。
  • 戦闘の立ち回りは「ソウルシリーズ以下ウィッチャー3以上」の印象。ジョブとスキルで立ち回りが変わる。
    スキル性能をフルに活かして自分独自の戦い方を試行錯誤する事が出来る。
    但しターゲットロック機能がないため、手動で敵と正対する必要があり、普通のゲームよりも立ち回りがかなり難しくなっている。
  • ポーンが状況に合った台詞を言う。(ポーンは戦闘での行動は適当だが台詞は的確な内容を言うことが多い。)
  • 装備の着用で外観が変化する。装備の種類も多く着せ替えが楽しめる。
  • 収集物のクラフト要素(調合)がある。
  • オブジェクトの多さを考えるとグリッチやスタックは少ない。
  • 若干ロード場面は多いがエリア間はシームレスに移動が可能。
  • ストーリーに関連するクエストではムービーカットインで世界観をフォローされる。
  • ポーンは単なるフォロワーNPCではなく設定としても世界観の根幹を為している。(詳しくはストーリーに触れるため実際にプレイで確認して頂きたい。)
  • ポーンの追尾性能はかなり高く地形のスタックや崖から落ちる等はまず発生しない。
  • 後半のストーリー展開は予想は不可能でそうきたかと唸らされる。
  • 一部のクエストのフラグに怪しい点がある。(例:序盤でカサディス村の村長アダロを「睨みの塔に護衛する」エスコートクエストを受諾し睨みの塔に到着するが中に入れない。一旦塔のエリア外に出るとそこでクエストが完了になる。クエスト達成条件はアダロを塔に着くまで護衛することとなっている)
  • いわゆる「回復ポットがぶ飲みゲー」である。戦闘中インベントリを開くと時間が止まるためその間に買い込んだ薬草を食べて全回復するなどが可能。
  • ダッシュやスキル等の移動・戦闘に関わる行動でスタミナが枯渇しやすくその都度、インベントリから回復アイテムを使用する事でゲームテンポが寸断されてしまう。重量を極力減らすことでスタミナの減少を抑えることが出来る。重量が重いとスタミナが直ぐに枯渇するためかなりストレスを抱えながらのプレイになる。
  • 「○○を何匹倒せ」「NPCをどこそこへ連れて行け」等MMO的なクエストの内容が多い。エスコートクエストも特に必然性はなくランダムにNPCが依頼してくるだけである。
  • 敵が近くにいる状況でポーンが棒立ち、戦士系のポーンが敵に攻撃せず周囲を徘徊する等AIの頭がかなり悪い。ポーンによるパーティープレイが最大の特徴のゲームにも関わらず極めて曖昧な指示しか出せずポーンを使った戦略性的なプレイがほぼ不可能。(ポーンに出せる指示は「GO」「COME」「HELP」の3種類のみ)
  • 稀に処理落ちで動作が遅くなる事がある。(例:グリフィンが空中からの襲撃シーンで処理落ち)
  • オートセーブのタイミングが多いため、選択肢の先を確認し辛い。
  • 敵のターゲットロック機能がなく自動的に敵に正対してくれないため、近接の立ち回り方が難しい。盾を持った場合、手動で敵と正対しないと攻撃を防御出来ない。複数敵に囲まれると死角からの攻撃を受けて一撃死も頻繁に起こる。ローリング等の回避手段もないため複数敵をいなしながら立ち回ることはほぼ不可能になっている。(出現するモンスターはサイズが小型の場合ほとんどは複数敵である。)そのため戦士系ジョブはヒットアンドアウェー的な立ち回りをせざるを得ない。

クリア時スタッツ

難易度ハードでの初見(一周目)一周目クリア時スタッツを掲載する。
※ネタバレを避けたい方は以後の参照を注意下さい。

主人公スタッツ


メインポーンスタッツ

ギャラリー

ゲーム中に登場する様々な景観は美しく一見の価値がある。撮影した画像の一部を公開する。

ゲームレビューカテゴリの最新記事