Ruina 廃都の物語 ゲームレビュー「ゲームブックスタイルが特徴的な語り継がれるべきフリーゲームの名作RPG」

Ruina 廃都の物語 ゲームレビュー「ゲームブックスタイルが特徴的な語り継がれるべきフリーゲームの名作RPG」

フリーゲームの『Ruina 廃都の物語』ストーリークリア後の総評とレビュースコアを掲載します。
※難易度普通でエンディングパターン一つ目クリア。

SPONSORED LINK

レビュースコア

ゲームタイトル スコア ランク 評価観点
Ruina 廃都の物語
7 B
  • インプレッションは面白いと感じる
  • ゲームに熱中出来る要素がある
  • 多数のユーザーやメディアから面白いゲームと評価される
  • 購入前の期待値を上回る面白さ
[寸評]
名作フリーゲーム。緻密に練られた世界観に基づいた圧倒的なストーリーテリング、試行錯誤が必要なパーティー構成、進むか引くかを常に決断を求められるシビアな探索、予測出来ない展開など、2021年の現在プレイしても色褪せることないクオリティ。
UIが不便な点もあるが、RPG好きなら一度はプレイすべきゲームだ。
当ゲームはフリーゲーム配布サイトで配布されているが、Windows専用でランタイムパッケージが必要となるなど、ゲームをプレイするまでの敷居が高いため、今後プレイしていくユーザーが減っていく可能性がある。有志の手でSteamやスマホアプリなどにリメイク移植して頂き、多くの人にプレイしてもらいたい、語り継いでいきたいタイトルだ。
  • ジャンル:RPG
  • プレイ人数:シングル
  • プラットフォーム:Windows
  • 発売日:2008年12月24日
  • 開発:枯草章吉

レビュースコアの採点方法については以下リンクを参照。

総評

『Ruina 廃都の物語』は枯草章吉氏によるRPGツクール2000で作られたフリーゲーム。フリーゲームの名作RPGとして知られる。
『Ruina 廃都の物語』は第4回ふりーむ!ゲームコンテストで最優秀賞を受賞している。
ふりーむサイト Ruina 廃都の物語
https://www.freem.ne.jp/win/game/2037
以前気になって一度プレイした事が有ったものの、その時は途中でテンションが落ちて休止していたが、最近のRPG熱が高まり再びプレイしたくなったため、ダウンロードして始めからプレイ。
今回はストーリークリアまでプレイしたが、何故一度休止したのか分からないほど熱中した。

Ruinaの特徴的なシステム

本作は特徴的なシステムを幾つも備えている。


一枚マップで表示され、各家やダンジョンの入り口にカーソルを合わせるとそこでのイベントが発生する。

酒場「ひばり亭」と仲間
冒険の拠点となる場所。本作はパーティーメンバーを新規で作らず、既にいる仲間から選んでパーティーに入れる形式となっている。

酒場では、仲間をパーティーに入れたりパーティーの編成が行える。
酒場に屯している仲間に話しかけ、2人までパーティーに入れられる。
主人公と合わせて最大3人パーティーで探索をする。(ゲストキャラが臨時で入ったり、召喚スキルを使うことで4人となる事もある。)

仲間は様々な事情から遺跡があるホルムの街に集まっており、パリスやネル、ラバンのように最初から住人として住んでいる者も居れば、領主に仕えるメイドのフラン、遺跡目当てのテレージャ、魔道書を付け狙っているシーフォンなど様々な人物がいる。
ストーリーが進むに連れて酒場に集まる仲間の数は増える。
仲間の組み合わせ次第では、会話などで様々な掛け合いが見られる。
ほかに、酒場では仲間や街の住人との会話をする事で情報の収集が可能となる。

パリス、ネルとの会話の掛け合い

ダンジョン
通路や部屋を探索すると少しずつ先のエリアが明らかになる形式。
テキストでの描写に加えて、ダンジョンマップの表示やイラストもある。
モンスターや風景のイラストについても「その他だいたい全部」を作者の枯草章吉氏自身が手掛けている。

下のように探索の進行度に応じて少しずつダンジョンの形が明らかになっていく形式となる。
ダンジョンに入ると薄暗いので、ランタンで灯りを点けると表示が明るくなる。こうした点も作者のこだわりが感じられる。

ダンジョン内で通路や部屋、扉などにカーソルを合わせてアイテムを使うと、何かしらの結果が得られる。
例えば鉄の鉱脈につるはしを使うと「鉱石を掘る」という行為になり、鉱石が得られたりする。
同様に海や湖では釣竿、扉では鍵を開けたり魔法の鍵を使うといった場所に合ったアイテムを使うことで魚を釣ったり、扉が開いたりといった結果が得られる。
下は街で釣りをしている様子。

なお、街やダンジョンを含めて、2Dで移動するシーンは一切無い。

ゲームブック風の状況描写
Ruinaで特徴的なのはゲームブック風の詳細な状況描写だ。懐かしいと感じる人も、或いは新鮮に感じる人もいるかもしれない。

リドルとギミック
ダンジョンの中では様々なリドル(謎掛け)やギミックが待ち受けている。
有名な謎掛けから、番号入力や暗号解読など、多数のリドルやギミックを解いて迷宮を攻略しなければならない。
(ダンジョン部分にモザイクを入れています)

TTEXP
TTEXPは「This Time EXP」の略で、ダンジョンに入ってから街に戻るまでに得られた経験値のことで街に帰還時のTTEXPが一定値を越えるとSP(スキルポイント)が多く得られるようになっている。
(ダンジョン部分にモザイクを入れています)

よって、ダンジョンに一度入ったら、出来るだけ多くの探索や戦闘、イベントを重ねてTTEXPを増やし、街に戻るほうが効率よくSPを得られ、成長に有利になっている。
称号を得てSPを消費する事で、その職業のスキルを得る事が出来る。
基本的にはSPが多いほどスキルが増えると考えていいだろう。
この事で、HPやMPは少ないが、TTEXPのためにもう少しだけ探索すべきか、というジレンマを常にプレイヤーが決断を求められるシステムになっている。

チェックポイント
ダンジョンのエリアでは、エリアに入ってから経過した日数でボーナスSPが得られる。この事をチェックポイントという。

例えば初期ダンジョン「滝の洞窟」では、エリアに入って3日以内にある条件を満たすとボーナスSPが得られるようになっている。
チェックポイントをより多く通過するほどSPが沢山得られることで、探索を促進しているシステムと言える。

戦闘
戦闘はオーソドックスなコマンドバトル形式。斬撃や魔法などのエフェクトも表示される。

HP(体力)がなくなると死亡。スキルや魔法を使うためのMPという日本人には馴染み深いシステムになっている。
武器や防具を装備して、攻撃力や防御力を高められる。炎・氷・雷・闇・聖などの各種属性がある。
パーティーは3人までで、前衛・後衛の列概念はない。
アイテム、技能、装備画面は以下のようになっている。冒険を進めると装備品や技能はかなりの種類を入手する。

アイテム画面

特殊技能画面

装備画面

称号
「称号のしるし」を入手し街の至聖所で規定のSPを消費する事で「称号」を得られる。
称号を得るとスキル習得し能力値(HP/MPと能力値)が増減する。
初期称号は以下となる。

例えば「神官」の称号レベル1では、「攻撃力-2 防御力+0 魔力+2 速度+0」となり、スキルに「応急手当」と「ともしび」を覚える。

称号は獲得時と同じSPを消費する事で最大レベル5まで成長させられる。
称号を得ても装備制限は変わらない。主人公の生まれが「賢者の弟子」の場合、称号で「君主」になっても重鎧などは装備出来ない。
「熟練のしるし」を得ると、上級称号がアンロックされる。

ワールドマップ
各地域へ移動可能で、移動すると状況描写が行われてイベントが発生する。

Ruinaのワールドマップ「大河流域世界」

同じく「ネス公国」

(出展:枯草章吉「ダンボールの神様」)

枯草章吉氏のサイト「ダンボールの神様」ではRuina世界の説明が公開されているので、世界観を理解するには是非見ておきたい。

ダンボールの神様
http://blackhat.a.la9.jp/ftotfr/

ゲームブックについて

本作はゲームブック風のゲームとして形容される事が多い。それは状況描写がゲームブックのスタイルに近いものになっているためだろう。

ゲームブックとは、読者がその物語の主人公として各パラグラフ(段落)ごとに提示された選択肢を選びながら進める形式のゲームの事。
本と紙とペンさえあればどこでもプレイ出来ることが特徴で、スマホが無い当時、1人遊び用のゲームとして、またファンタジーやSFなどが楽しめる書籍として人気だった。

他に、ゲームブック風の状況描写を採用しているCRPGとしては『世界樹の迷宮』シリーズがある。

「ソーサリー」4部作(創土社の新版)

シャムタンティの丘を越えて 魔の罠の都 七匹の大蛇 諸王の冠

本作では各場所の状況描写としてゲームブック風のテキスト描写が採用されている。

ゲームブック風テキストの例

君は一攫千金を夢見るしがない冒険者だ。
盗賊が隠したとされる宝の在り処が書かれた地図を偶然手に入れた君は、数日間の旅を経て丘を越えた先にある人気のない洞窟に辿り着く。
日はとうに暮れ始め、足元には暗い影が差して来ている。
目の前には洞窟の薄暗い入り口がぽっかりと口を開いている。
近くにはたき火の跡があり、どこからか腐ったような臭いが漂ってくる。
○洞窟の中へ入る⇒30へ進め(アドベンチャーシートから松明を1本減らす事)
○近くの木陰に隠れて聞き耳を立てる⇒52へ進め
○たき火の跡を調べる⇒19へ進め

このようなパラグラフごとの状況説明があり、選択肢の中から指定されたページへ進む。
時には戦闘や行為の判定の結果をダイスロールがある。
実際にダイスを振ってもいいが、ゲームブックのページに賽の目が印刷されていたので、ぱらぱらとページをめくってランダムな結果を得る事が出来た。

日本では『火吹山の魔法使い』や『ソーサリー』4部作に代表されるファイティング・ファンタジーシリーズが一般的。

ゲームブックは1980年代から1990年頃までブームがあったが、その後廃れてしまった。
近年では、2016年に幻想迷宮書店により、「ドルアーガの塔」三部作など過去の人気ゲームブックタイトルを電子書籍で復刻する動きも出ている。
【特集】ゲームブックはオワコンなのか ― 「ドルアーガの塔」を電子書籍化した幻想迷宮書店が語る今と未来
https://www.inside-games.jp/article/2016/05/06/98407.html

ゲームブックはかなりの数読んだが、自分が好きだったのは、海賊船の船長としてお宝を略奪しまくる『海賊船バンシー号』。
普通のゲームブックでは、主人公個人で戦闘や探索をするものが大半だが、バンシー号では「集団戦」も実装されており、海賊の一味として各地を略奪して渡り歩いたり商船を襲う事が出来るのが斬新だった。
他に、『ドルアーガの塔』(鈴木直人著)は双方向型の画期的な迷路のデザインで、正確にマッピングが出来るゲームブックとして面白かった記憶がある。
印象に残ったゲームブックはそれ以外にも、『地獄の館』『モンスター誕生』など、枚挙に暇がない。

「ドルアーガの塔」3部作(幻想迷宮書店)

悪魔に魅せられし者 魔宮の勇者たち 魔界の滅亡

ファンタジー以外にもアニメのキャラクターもののゲームブックもあり、双葉社からはルパン三世のゲームブック(冒険ゲームブックシリーズ)が20冊近く刊行されている。

『Ruina 廃都の物語』をプレイする方法

『Ruina 廃都の物語』をプレイしたいと思う人のために、WindowsPC環境でプレイするための方法を書いておきます。

注意事項
当サイトは作者やURL先サイトとは全く関係がありません。
ここに書かれた方法は筆者が自分で調べたものです。内容の正確性に付いて一切の保証をしません。
掲載された内容によって生じたいかなる損害についても当サイトでは一切の責任を負いません。行う際は必ず自己責任でお願いします。
インストール方法やプレイに関する質問は受け付けておりません。

必要要件(Ruina 廃都の物語 readmeより)

  • OS:Windows98/98SE/Me/2000/XP(筆者註:※Windows7でも動作可能)
  • CPU:Pentium166MHz以上(PentiumII 450MHz以上推奨)
  • DirectX:DirectX9.0以降
  • メモリ:32MB以上(64MB以上推奨)
  • RPGツクール2000 RTP(必須)

Ruina 廃都の物語 導入手順

導入手順1.
窓の杜からゲーム本体(バージョンv1.21)をダウンロードする。
窓の杜 ダウンロードページ
https://forest.watch.impress.co.jp/library/software/ruina/
ダウンロードしたら任意のフォルダに展開する。

導入手順2.
本体だけでは動作不可なので、別途RPGツクール2000のランタイムパッケージが必要。
以下のサイト(ツクールweb)から「RPGツクール2000 RTPダウンロード」をダウンロードしPCにインストールする。
ツクールweb ランタイムパッケージ配布ページ
https://tkool.jp/products/rtp.html

導入手順3.
ゲーム本体とランタイムパッケージをインストール後、
\Ruina廃都の物語\Ruina121\start.exeを右クリックし、プロパティ>互換性>640×480の解像度で実行するにチェックを入れて適用とOKを押す。
\Ruina廃都の物語\Ruina121\start.exeを実行してゲームを起動する。
そのままだとフルスクリーンで解像度が小さい状態なので、F4を押してウィンドウモードにする。

ゲーム開始
ゲームを起動し、タイトル画面で「開始する」を選択してEnterを押してゲーム開始。
主人公の生まれを上下カーソルキーで選択してEnterで決定。
性別を上下カーソルキーで選択してEnterで決定。
主人公の顔を上下カーソルキーで選択してEnterで決定。
主人公の名前を画面の文字を選択して<決定>に合わせてEnterで決定。
デフォルトの名前を消すにはXキーかESCを押す。
「物語を始める」にカーソルを合わせてEnterで決定。

その他の評価点

高評価の項目 低評価の項目
  • ゲームブック風のテキスト描写、味わい深いイラスト。BGMも雰囲気を盛り上げる。
  • ストーリーや仲間選択の上で多数の分岐がある。
  • 性格もスキルも個性的な仲間が10人いるので、その中からどういうパーティーでダンジョンに挑むかという部分で試行錯誤する面白さがある。
  • 自由度が高い展開。ある程度エリアの攻略順序が自由。マルチエンディング。周回引継ぎ要素がある。
  • 戦闘よりも探索を進める方がもらえる経験(イベント経験値)が多い探索重視のゲーム設計。
  • 戦闘以外にもリドル(謎掛け)が多数配置され飽きさせない工夫がある。
  • アイテム、装備品、スキルの数が多い。
  • 多数の歴史や伝承の文献で世界観を補填している。
  • バグや誤字なく動作は安定している。クライアントが軽い。
  • 色々書いているが、古いゲームである事、フリーゲームである事、ツクールゲームなので仕方ない面が多数ある事を付記しておく。
  • クライアントの解像度が最大でも640×480と小さい。
  • ゲームをプレイするまでの敷居が高い。ランタイムパッケージが必要。readmeやmanual.htmに書いてあるサイトURLが存在しない。
  • UIで不便と感じる点が多い。マップの移動地点はカーソルでしか指定出来ず、マウスでは指定不可。店から出る場合は出口アイコンをクリックしないと出る事が出来ない。他にも、料理や調合、売買で数を指定出来ない場合、一つ一つ作成する必要がある。
  • MPが少なく直ぐに枯渇する。(MP消費削減装備はあるが入手は中盤以降。)MP回復アイテムは料理だが、料理を作る必要がある。料理は数を指定して作れないので、一つずつ作る必要があり、非常に面倒だった。一度作成済みのアイテムは材料さえあればリストから数を指定して作れるようにして欲しかった。
  • 物理的に探索可能なエリアが少し狭く感じる。各ダンジョンの広さは今の2倍くらいでも良かった。
  • ゲーム側でサウンド調整が出来ない。

クリア時スタッツ

難易度「普通」での初見ストーリークリア時スタッツを掲載する。
※ネタバレを避けたい方は以後の参照を注意下さい。

コンセプト

主人公の生まれを4つの中(賢者の弟子、騎士の嫡子、罪人の遺児、神殿に拾われた孤児)から選べるが、「賢者の弟子」で開始。
称号で魔術士と妖術士をLV5上限まで、また裁きの司と精霊術士をLV5上限まで上げた。
更に技能書で「応急手当」「治癒術」「治癒の力場」「蘇生の秘儀」を覚えて賢者タイプに近いスキル構成になった。

主人公(賢者の弟子/魔術士)

賢者の弟子は初期スキルで「古代知識」が取れるので、初見プレイにはヒントが得られてお奨めだった。(古代知識があると古代語で書かれた文字や文献からヒントが得られる。)
アタッカーとしては、中盤までは集団魔法が有効だった。「天雷陣」はダメージに加えて衝撃のデバフ効果があるため、敵の行動を足止め出来るのが非常に便利。
終盤は豊富なMPを活かしてバランサータイプになった。ただ、称号と熟練でSPを多く消費してしまい、周回に回せるSPが殆ど残らないのが課題だったか。

仲間は序盤はメイド忍者のフランと遊牧民のキレハを選択。
Ruinaで(特に初見プレイ時に)重要なスキルは古代知識、盗賊の技(鍵開け)、生存術の3つだが、主人公が古代知識、フランが盗賊の技、キレハが生存術を持っているため、バランスが取れたパーティーになる。
盗賊の技は扉や宝箱を開けるのに必要。生存術は野外での活動(判定)に必要となる。
また、アイテム製作の2大スキル「調合」は賢者の弟子が覚え、「料理」はキレハが覚えるので、アイテム製作面でも快適だった。(フランも覚えるがそれほど上手くない。)
料理は、下手な仲間は失敗の連続で素材を無駄にするので、料理が上手いキレハは重宝した。

遊牧民のキレハ

戦闘では主人公が集団魔法、フランがデバフ担当。キレハはゲスト枠に入るモンスターを召喚出来るので、実質4人パーティーで運用出来る。
若干防御が不安だが、やられる前に倒しきる火力を前提としたパーティーになった。

中盤~終盤は火力が重要なので、フランと傭兵のメロダークを選択した。

最終パーティ

メイド忍者フラン
フランは「分身」の自己強化と「月相閃」を始めとする火力スキルが強力。

寡黙な傭兵メロダーク
メロダークは回復(蘇生)持ち・高防御・火力のバランサータイプ。「光の障壁」「盾の呪文」で仲間を守りつつ、「聖絶の剣」などで自分も殴れるし、「治癒術」や「蘇生の秘儀」で回復役にも回る事が出来た。

Ruina 廃都の物語カテゴリの最新記事