ゲームレビュー 真・女神転生 DEEP STRANGE JOURNEY「人類、最後の旅へ 重厚な3DSメガテンをリメイクした硬派なRPG」【3DS】

ゲームレビュー 真・女神転生 DEEP STRANGE JOURNEY「人類、最後の旅へ 重厚な3DSメガテンをリメイクした硬派なRPG」【3DS】

3DS版の「真・女神転生 DEEP STRANGE JOURNEY」(以下真・女神DSJ)を難易度EXPERTでニュートラルルートのクリアしたので、総評とレビュースコアを掲載する。
真・女神DSJについてはリメイク作品ということもあり、オリジナル版から内容も大きく変わってはいないため、当サイトでは攻略情報やTipsの掲載をする予定はありませんのでご了承下さい。

真・女神転生 DEEP STRANGE JOURNEY - 3DS
アトラス (2017-10-26)
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レビュースコア

真・女神転生 DEEP STRANGE JOURNEY

75点(/100点)
(2020/1/26 70点⇒75点に上方修正)

購入前の期待値を十分に満たす良ゲーム。
ナンバリングタイトルではないが、女神転生シリーズファンは購入必須。
オリジナルのSTRANGE JOURNEYが高難易度のためクリアを諦めた人も、DSJではプレイが全体的に快適になっているので、プレイすることをお奨めする。
但し、真・女神DSJも難易度がかなり高いため人を選ぶ。
また、注意点として、戦闘(悪魔遭遇)画面に入る前に画面が一瞬光る演出がある。戦闘回数が非常に多いゲームのため、目に悪影響が出る懸念がある。

総評

突如発生したシュバルツバースという謎の現象を調査すべく最新の装備を持った調査隊が極地に乗り込むが、そこで見たものは魑魅魍魎と悪魔が跋扈する異世界だった……。

真・女神DSJは2009年に発売されたDS用ソフト「真・女神転生 STRANGE JOURNEY」のリメイク版。
真・女神DSJではオリジナル版に新キャラクターやムービーシーンが追加され、フルボイス化など、全般的に演出面が強化されている。

同じくリメイクされた3DS用ソフト「デビルサマナー ソウルハッカーズ」でもシステム面の高速化やフルボイス等で演出面の強化がされた前例もあり、アトラスも3DSという脆弱なハードに関しても慣れたものなのか、真・女神DSJも隙のないゲーム性に仕上がっている。
オリジナルの時点で完成度が高く、硬派なゲームに仕上がっていたが、リメイク版でプレイアビリティも上昇しており、女神転生ファンなら文句なく楽しめるゲームだろう。

真・女神DSJに関してはオリジナル版とシステム面で大きな変更はないが、細かい点で修正された部分が多く、プレイアビリティはかなり上がっている。
(どこでもセーブ可能なフィールドセーブ、高速で移動可能なBダッシュなど。)
但し、以下に書いているように演出面で疑問を感じる点もある。

オリジナル版は、ナンバリングタイトルではなかったが、従来の3Dダンジョンスタイルの踏襲など、後続の真・女神転生Ⅳなどに比べると従来のナンバリングタイトルに近い形のゲームスタイルだった。今後、女神転生のナンバリングタイトルはNintendo Switchに発売ハードが移っていく(『真・女神転生V』の発売が決定)が、3DSでは今作が恐らく最後となる女神転生シリーズのゲームだと思われる。
そういう意味でも感慨深いゲームとなった。

これまでは3DSという特殊な機種のタイトルということで、開発会社は少なからず苦労することはあったと思うが、今後はスペック面はともかく最新ハードとなるNintendo Switchにタイトルが移るため、ようやくアトラスもスペックを生かしたシステムや演出など、開発がやり易くなる面はあるだろう。
人気タイトルが高スペックのハードでプレイ出来るのはユーザーにとっても嬉しい。
それを踏まえてNintendo Switchで告知された真・女神転生のシリーズ最新作『真・女神転生V』はどのような内容となるのか、今から楽しみである。

その他の評価点

Good Bad
  • 悪魔合体、悪魔会話、悪魔と人間の関係など、女神転生でしか味わえない世界観とシステム。
  • エフェクトの効いた3D画面と高機能なオートマッピングなど、一つのゲームとして完成度が高い。
  • 女神転生シリーズ初期の伝統的なスタイルの3Dダンジョンスタイルを踏襲。
  • ムービーシーンやフルボイスが加わり演出面で強化。
  • 悪魔の成長やランダムのスキル変化、デビルソースなど育成面や悪魔合体での試行錯誤が可能。
  • バグがなく動作安定。誤字誤植もないが描写文章については気になる点あり(後述)。
  • セーブ枠が多い。(25枠)(※SDカード使用時)
  • オート戦闘で自動高速戦闘可能。手動戦闘時でもAボタン押しっぱなしで任意に高速化出来る。
  • アーサー(AIの指令コマンド)役の声優・子安武人の機械ボイスの演技が素晴らしい。
  • 艦内は背景が数枚。人物は一枚絵がデモニカありなしでの基本2パターンしかない。フルボイスとはいえ演出面ではどうしても見劣りする。バガブーやマンセマット邂逅時には手が入った美しい一枚絵が表示されるが、例外的なものである。但し3DSというハードを考慮すれば問題ないといえるレベルでもある。
  • 画面が白く光る演出を多用しており、特に悪魔との遭遇時には全て演出が入るため長時間プレイすると目が痛くなる。オリジナルからこの点は改善されず、健康面に配慮されない仕様となったのは残念だった。同じくセガサターン版からリメイクされた3DS版「デビルサマナー ソウルハッカーズ」では、遭遇時にこういった演出はされていない。(但し悪魔合体時には光る演出がある。)
  • 戦闘システムとしては「デビルCOOP」という悪魔のスキルとスタンスの組み合わせによるシステムだが、基本は弱点を探って主人公とスタンスを合わせた仲魔を召喚してのデビルCOOPでダメージを倍増して叩くという単純なもので、デフォルトの最高難度であるEXPERTでも進めるのはそれほど難しくはない。直近の作品で多く使用されている戦闘システム「プレスターンバトル」は今作では使われていないが、プレスターンほどピーキーに戦局が動くものではないが、プレスターンにしても結局は弱点とスキルの絵合わせに過ぎないので、デビルCOOPも合わせてシリーズのシステムとしては限界を感じさせる。
  • パーティーのメンバーが全員前衛になるため、HPが高い悪魔は前衛、HPが低くMPが高い悪魔は後衛といった戦術がない。
  • 戦闘中に武器を切り替えることが出来ない。
  • ムービーシーン、カットシーンをオフに出来ない。(早送りのみ)
  • 反則的な設定のボスが多く初見殺し感が強い。
  • 嘆きの胎など一部のダンジョンが異常なほどマップを埋めるのが難しい。
  • ボス戦から長いカットシーンに連続して続くことがあり途中でセーブ出来ない。しかも、途中で重大なスタンスの選択肢があることが多い。(スタンスの選択を間違えるとボス戦前に戻らざるを得ないことも。)
  • 通常のゲームでは探索を進めていくと様々な施設や街を発見して新たな発見や探索の楽しみがあるが、このゲームでは極地探索がテーマになっているため街や施設がなく、探索の楽しみが薄い。街の役目をする艦(レッドスプライト号)に戻っても医療室、ラボのみで変化に乏しい。その分、フィールド上で悪魔による様々なクエストが設定されているが、やはり少し寂しい。
  • 三人称の描写の場面で「い抜き言葉」が複数回使われていたのが気になった。登場人物が「い抜き言葉」で話すのは構わないが、三人称の文章(状況説明など)で「い抜き言葉」を使われるとさすがにおかしいのではと思える。
    例としては
    「ゼレーニンはレッドスプライト号とライアンの部隊が争ってる事情を説明した。」
    「ギガンティック号は稼動してる気配が無く、クルーがいる気配もない」など。(スクショなどを撮っていないので文章が正確ではない可能性あり)
  • 悪魔の音声データが少ない。(グリーングラスで訴える「素晴らしい」→仲間に誘う→ウィズアイテム「素晴らしい」→プラスアイテム「素晴らしい」)同じ台詞しか言わない。

 

真・女神転生 DEEP STRANGE JOURNEY 公式悪魔データ
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