ゲームレビュー Darkest Dungeon(ダーケストダンジョン)「クトゥルフ神話にストレス管理要素が加わった傑作ホラーローグライク」【Steam】

ゲームレビュー Darkest Dungeon(ダーケストダンジョン)「クトゥルフ神話にストレス管理要素が加わった傑作ホラーローグライク」【Steam】

Steam版で「ダーケストダンジョン」のストーリークリアしたので、総評とレビュースコアを掲載する。
難易度ダーケストでクリア時間は150時間、クリア週(ゲーム内経過時間に相当)は102週だった。
(DLC「クリムゾンコート(呪われた庭園)」「狂乱の色」はプレイせず通常ストーリーのみクリア。)

SPONSORED LINK

レビュースコア

ゲームタイトル スコア ランク 評価観点
Darkest Dungeon(ダーケストダンジョン)
8 A
  • インプレッションは面白いと感じる
  • ゲームに熱中出来る要素がある
  • 多数のユーザーやメディアから面白いゲームと評価される
  • 購入前の期待値を上回る面白さ
[寸評]
ダンジョン探索にクトゥルフ神話RPGの正気度要素を「ストレス」という形で導入し、冒険者のストレスを管理しながらダンジョンを突破するという、新しいホラーRPGを創造した。
ノーマルの難易度(ダーケスト)でも非常に難易度が高く、クリアまでには様々な試行錯誤と絶え間ない試行回数が要求される。
何度も心を折られながらも、それでもトライしようと思える良ゲーム。が、理不尽な死亡や育て上げたキャラクターの呆気ない消滅など、不条理が普通に起きる世界であり、不満を感じる人も多いだろう。かなり人を選ぶと思う。
また、ダンジョンやローグライク、ターン制バトルといった要素から、一見はRPGに見えるが、実際には冒険者やリソースのマネジメントが本質であり、実態はむしろ経営ゲームに近い。
2021/10/14変更履歴 旧レビュー形式を新形式に変更。旧レビュー78点を新レビュースコアを8,ランクをAに変更。
  • ジャンル:ホラーRPG
  • プレイ人数:シングル
  • プラットフォーム:Windows, OS X(2016年)/Linux(2016年)/PlayStation 4, PlayStation Vita(2016年)/iOS(2017年)/Nintendo Switch(2018年)/Xbox One(2018年)
  • 発売日:2016年1月19日
  • 開発:Red Hook Studios
  • パブリッシャー:Red Hook Studios/Merge Games

レビュースコアの採点方法については以下リンクを参照。

総評

ローグライクには様々な形態があるが、一つの様式美を作ったという意味で、先駆的なゲームに位置されるのではと感じる。

ダークソウルの後に一斉に似たようなゲームが乱立し、「ソウルライクゲー」として一分野に括られたのは記憶に新しい現象。
ダーケストダンジョンでも、似た現象が起きており、後続の「ヴァンブレイス: コールドソウル」や「MISTOVER(ミストオーバー)」といった、ダーケストダンジョンのフォロワーゲームが続々と登場している。

だが、それでもまだオリジナルのダーケストダンジョンを超えるゲームは登場していないようだ。

ダーケストダンジョンでは、ダンジョンの内部で、様々なトラップやモンスターとの遭遇に遭遇することで、ヒーローキャラクター(冒険者)の「ストレス値」が上昇する。
ストレスが一定以上溜まったキャラクターは、精神崩壊からの奇癖を発症したり、最後は発狂した挙句、この世から消滅してしまうという悲惨な最期を迎える。

しかも、ここまで手塩をかけて育ててきたキャラクターが発狂しながら消滅するのは、余りにも辛い。
ゲームを進めるためには、これらのヒーローのストレスを緩和させながら、冒険者をいかにして育て上げ、最終ダンジョンである高難易度の「ダーケストダンジョン」に挑むか、という部分に試行錯誤が要求されるものとなっている。

クトゥルフTRPGで御馴染みの発狂をストレスで表現した秀逸なシステム

ダンジョン内で精神力がなくなると、「発狂して逃げ出す」といったシステムは、古くからTRPG(テーブルトーク)の「クトゥルフ神話RPG(クトゥルフの呼び声)」の「SAN値」を元にしたゲームデザインである。
(SANとはSanityからきた造語で、キャラクターの正気度を表す。名状し難い古き怪物を見た冒険者は、正気度を失い、正気度がなくなると発狂してしまうというシステム。)

CRPGでは、古くは「ラプラスの魔(1987年ハミングバードソフト発売のサバイバルホラー)」や「邪聖剣ネクロマンサー(1988年ハドソン発売のRPG)」といったゲームでも採用されていたシステムだ。

「ラプラスの魔」では、精神力で霊体の敵に攻撃出来るが、こちらの精神力もダメージを受ける。
精神力がなくなると発狂して逃げ出し、パーティーを離脱し、館をさ迷う狂人となるというシステムだった。

「邪聖剣ネクロマンサー」では、戦闘で逃亡を繰り返すと、裏ステータスである「恐怖値」が溜まり、パーティーを脱走するという仕様が入れられていた。

他にも、心理的な恐怖をゲームに取り入れたゲームでは、ゲームブックのファイティング・ファンタジーシリーズ「地獄の館」(スティーブ・ジャクソン著。1984年刊行)がある。
「地獄の館」では、「恐怖点」という、そのものずばりの名前で恐怖を表される。
館の中で遭遇する様々な出来事で、主人公の恐怖点が上昇していき、限界恐怖点まで達するとショック死するというシステムになっていた。

地獄の館‾ファイティング・ファンタジー (10)
S. ジャクソン 安田 均 スティーブ・ジャクソン
社会思想社
売り上げランキング: 765,655

ダーケストダンジョンでは恐怖値を「ストレス」として定義し、ダンジョンで起こる様々なイベント、「ダンジョンに入る」「灯りが暗い」「空腹」「戦闘でダメージ」「仲間のストレスが伝播して空気が悪くなる」といったあらゆることでストレスが増加する。
ストレスが増加すると様々なバッドステータスが発生し、パーティー崩壊が近付いていく。

正に恐怖値(ストレス)を正面から仕様に取り入れたゲームとして、画期的といえる。
実際にはストレス値を初めとする様々なマゾ要素から、「プレイヤーのストレスがマッハ」という評価を得ているゲームでもある。

ゲーム的な特徴は他にも、2Dで進行するローグライク系RPGで、特定の主人公はおらず冒険者を雇ってパーティーメンバーとする点がある。
冒険者は死んだら特定の場合を除いて復活させることは出来ない。

そのため冒険者は死ぬことが前提の使い捨てとなる。
そういう意味で冒険者への感情移入は一切許されない。
冒険者の死と引き換えにダンジョンを攻略し村を発展させる。
村を発展させることでより強い冒険者が雇えるようになる点が特徴だろう。

先祖の地に発生した恐怖の謎に挑む

ダンジョンで冒険者を待ち受けるものとは

各地の魔窟を浄化しダーケストダンジョンに辿り着けるか

冒険者のストレスマネジメントの難しさとは別に、戦闘面でもパーティーの隊列とスキルが密接に関連している。
戦闘とパーティーのメンバー、隊列の並び、スキルを使ったときの隊列変動とその際のスキルがどうなるか、など考えるべき要素が無数にある。
というのも、ベストメンバーが育っていてもボスは当然のごとく強く、全滅も普通にある。

加えて道中の雑魚も異様に強く、運が悪いとボスに辿り着けずダンジョンを彷徨い続けた挙句、全滅。
全滅を回避するため、脱出するが、ストレスがマックスまで溜まり、当面その冒険者は療養所送り・・・などは、このゲームでは極めて普通の展開だ。

ゲームのデザインはゴシックホラー調で、ややアメコミ色が強いが、ゲームのシステム面が素晴らしいので、それほど気にはならなかった。
Steam版ではMODも沢山出ており、冒険者の外見を替えることも容易だろう。
それだけ人気があるゲームでもある。

「ラプラスの魔」「邪聖剣ネクロマンサー」に続く、クトゥルフ神話をテーマにしたホラーRPGの血統に恥じない、超高難易度ゲームだ。
ダーケストダンジョンについては、PS4版、Vita版、Switch版も日本語版が出ているので、以前より色々なプラットフォームでプレイが出来るようになっている。

あらゆる意味で非常に難易度が高いこのゲームだが、ぜひプレイして頂きたい。
ストレスがマッハで溜まりながらも、絶対に面白いはずだ。
そして、恐怖の最奥に何があったのか、その目で真相を確認してもらいたい。

その他の評価点

高評価の項目 低評価の項目
  • クトゥルフ神話系のホラーテイストとダンジョンクロールタイプのローグライクゲーにストレスマネジメントを組み合わせたアイデア。
  • ダンジョン探索や村の発展、多数のヒーローをどのように使い分けするかなど、かなりの試行錯誤が求められる。
  • フォロワーを生み出す革新的なゲーム性と斬新なオリジナル性。
  • キャラクター(ヒーロー)への感情移入が許されない。
  • 一回の戦闘にかかる時間が長過ぎる。
  • バッグ(インベントリ)を拡張する手段がない。
  • 戦闘時にバストアップ演出が多用されるため冗長に感じるが、オプションでオフに出来ない。
  • DLCでゲーム性を拡張しようとしたが上手くいっていない。

ゲームレビューカテゴリの最新記事